物事を広い視野で見ることが、楽しさに繋がる
ヒロインを演じるのは、北香那さん。春画先生と、彼に健気な愛情を注ぐヒロインのために、安達さんは一肌脱ぐこととなる。
ーーそういったご経験は、これまでありましたか?
「そうですね、そんなにだいそれたことではないかもしれませんが、いちばん身近なことでいえば、子どものことですかね。
私はそんなに”いい母親”みたいな感じでもないと思うんですが、それでも、”子どもが喜ぶなら”とか、”自分よりも子どもを優先して”ということは、日常の中でよく感じることではあります」
”偏愛コメディ”と銘打たれた本作。クセのある登場人物たちに思わず笑みがこぼれてしまうシーンいくつもありつつも、人間愛のあたたかさに触れることができる作品でもある。安達さんも、「この作品全体を通して、自分自身に変化が起こった」と実感する。
「一見すごく風変わりだったり、一般的な人と違っていたり、つらい状況の渦中にいたりするはずなのに、そういったところに愛おしさを感じることができる……そんな見方ができる映画でした。
物事をとても広い視野で見ることが、楽しさに繋がるんだろうな、と。今後、いろいろな局面に立ったとき、ポジティブに変換できるんじゃないのかな、と、この作品のおかげでそういった視点を持てるようになったと思います」
■安達祐実(あだち・ゆみ)
1981年9月14日生まれ、東京都出身。デビューは2歳のとき、子育て雑誌のモデルで。1991年にテレビCM「ハウス食品 工房」への出演で知名度が急上昇し、1993年に『REX 恐竜物語』で映画デビューし、子役として『家なき子』(94年、日本テレビ系)や『ガラスの仮面』(97年、テレビ朝日系)などの代表作で国民的女優に。その後、『大奥』(03年、フジテレビ系)や『娼婦と淑女』(10年、フジテレビ系)での演技が話題となり、2013年の写真集『私生活』と、翌年年公開映画『花宵道中』でこれまでのイメージを完全に払拭。近年はファッションアイコンとしても再ブレイク中。2人の子どもを持つ母親としての顔も。10月13日より出演映画『春画先生』が公開。