ドラマから映画まで、さまざまな作品で存在感を発揮する柄本佑。2024年のNHK大河ドラマ光る君へ』では藤原道長という大役を演じる。芝居を真摯に愛し、多くの役柄を魅力的に演じてきた柄本さんが語る「THE CHANGE」とは。【第1回/全5回】

柄本佑 撮影/冨田望

 取材にあたって、テーブルにマイ水筒を置いた柄本佑さん。ピンク色のボトルに、豪快に書かれた黒い文字が見える。

 道長。

 2024年放送予定のNHK大河ドラマ『光る君へ』で藤原道長を演じる柄本さん。5月末にクランクインし絶賛撮影中だそうで、役名が書かれた水筒を持参しているという。

柄本「現場にこの水筒を持っていったとき、誰のかわからなくなるから名前を書いておこうと思ったら、周りから“道長って書きなよ”“道長でよくない?”と言われて。それで“道長”と書いたんです。そしたらなんか、スタッフさんに準備させたみたいなたたずまいになっちゃって……」

ーーたしかに。そう思ってしまいました。

柄本「僕、自分で用意して持っていってますからね」

 大河ドラマ撮影現場のエピソードを気さくに話してくれる柄本さんだが、大河より一足先に公開される映画『春画先生』でも、メインキャストに名を連ねている。

 内野聖陽さん演じる、“春画先生”の異名を持つ変わり者の春画研究者が執筆する、『春画大全』の編集者ーーという役どころ。どこか現実離れをしたキザな色男だが、そんな一面を象徴するシーンがある。それは、柄本さん自身が提案したのだという。

 春画先生、そして北香那さん演じるヒロインの3人で、車を走らせ遠方へと向かうロードームービー感漂うシーンでのことだ。