「自分には価値がある」

 自著にも、そしてインタビュー中にもたびたび繰り返されるフレーズがあった。

「自分には価値がある」

 念を押すように、福岡さんは繰り返した。

福岡みなみ 撮影/冨田望

福岡「プライベートでもそうです。振られたら“私がもっと価値のある女の子だったら、彼が手放すはずはなかった”とか。悔しいから、価値のある人間になりたいんです」

ーー「価値がある」という言葉、とても印象的に思います。

福岡「まずは自分で自分に価値がある、と思うことが始まりで、その次に、実際にはその価値がなくてもあるように見せることが大切で、そうすると価値が伴ってくるんですよね。すると、周りが“本物の価値だ”と信じてくれるんです」

ーー自分に価値を見いだせない人には、どんな言葉をかけますか?

福岡「“自分を下げるな”ということはずっと言っています。“私なんて、こんなにもらえないです”のままだとダメ。受け入れて感謝して、“もっと大きくなれるようにがんばります”という子は伸びます」

ーー“私なんて”は本当に呪いの言葉ですよね。

福岡「本心から“私なんて”と思っている子は、絶対に言っちゃいけないと思います。ちなみに私は全然言いますよ。“私と一緒にご飯に行けてうれしいでしょ?”と思いながら、“私なんかとご飯に行ってくれてありがとう!”って」

ーーそれはどんな効果を生み出すんですか?

福岡「相手に“キミ、そんなこと思ってないでしょう”と思わせながら、“こんなに謙虚なことも言えるんだ、この子は”と思わせる、という効果でしょうか」

 あざとく高飛車な口ぶりをのぞかせつつも「ただの相手に対してのヨイショです」とはにかむ福岡さんの横顔から、何事にも懸命に取り組む健気さがにじんでいた。

■福岡みなみ(ふくおか・みなみ)
1995年5月1日生まれ、広島県出身。東京理科大学卒業後、タレント活動を開始。2020年3月、ライブ配信アプリ『Pococha』でライバー活動を開始すると、わずか半年弱で日本一に。累計約1億円を稼いだ。その後、ライバーとしての経験を生かし、ライバー事務所『LiveーLabo』を設立。タレント業と並行しライバーの育成・マネジメントに携わるも、同11月に代表を退任。2023年8月よりバラエティ番組を主軸に活躍中。美容マニアで、SNS上で若い女性たちから絶大な支持を得ている。