三宅裕司、72歳。喜劇役者、司会者、ラジオパーソナリティ、そして劇団主宰。驚くべきバイタリティとマルチな才能で多様な仕事をこなす……そんなイメージの三宅さんだが、これまでの芸能生活で、人知れず苦悩を抱えたこともあった。人生を変えたTHE CHANGEとはーー。【第3回/全5回】

三宅裕司 撮影/川しまゆうこ

「私のTHE CHANGEは、脊柱管狭窄症です」

 せきちゅうかんきょうさくしょう、という舌を噛みそうな病名を、カメラの前で淀みなく告げた三宅裕司さん。

 それは、激務や仕事のストレスが溜まりに溜まった2011年の夏のこと。三宅さんはなんとなく、腰へのピリピリとした違和感を覚えていたというが、しばらくすると痛みが強くなり、車椅子で現場に行き座りながら仕事をするようになったという。

 そして、7月のある日。

三宅裕司さん(以下、三宅)「そのとき、家にひとりだったんですよ。寝室ではなく自室のソファをベッドにして、トイレに行けないからバケツを用意してもらっていて。それで寝ていたんですけど、痛みで一睡もできなかった。朝になって寝ようとしたけど、これはちょっともう、救急車を呼ばないとダメだという状態になってしまって」

ーーいきなり救急車レベルに……。

三宅「両足が麻痺して動かなくなっていました。病院に行ったら、先生から“なんでこんなにひどくなるまで放っておいたのか。もっと早く来れば、5日で治るのに”と怒られました」

ーー違和感を感じた段階で病院に行けば、こんなことにはならなかったと。