水上恒司が好きなジブリ作品

水上「作品でいうと、『もののけ姫』が好きですね。人間の綺麗な部分と汚い部分の両方を描いていて、共感できます。あまりに綺麗すぎる物語だと、死が遠く感じる。死があるから、生をまっとうするじゃないですけど、残酷な部分を描くことで一瞬一瞬の“生”を大事にしようって思えるんです。

 宮崎駿さんの『出発点』と『折り返し地点』っていう本を読むと、この人めんどくさい人だなあって思うんですけど、僕はそこが好きなんですよね。久石譲さんの曲は、ジブリ音楽にかぎらず、よく聞きます。僕の癒やしでもあり、なくてはならない存在ですかね」 

 取材を通して見えてきた彼の深い思考力。現在、雑誌『プラスアクト』で連載している「恒辞苑」では、毎号テーマを決め言葉を紡いでいる。そこで最後に、彼の考え方を収めたエッセイ集を出版する可能性はないのか、聞いてみた。 

水上「恥ずかしいので、予定はありません(笑)。周りの仲間たちとか、周囲の声次第では分からないですけど、今のところは考えていないですね」 

 いつか彼のエッセイ集を読んでみたい、そう強く思う取材だった。ファンの皆さん、ぜひその声を水上さんに届けてください!

■水上恒司 みずかみ・こうし
1999年5月12日、福岡県福岡市生まれ。2018年に『中学聖日記』(TBS系)でデビュー。『週刊ザテレビジョン』主催の「第99回ドラマアカデミー賞助演男優賞」を受賞した。その後、NHK大河ドラマ『青天を衝け』をはじめ、数多くのドラマや映画に出演。2022年には、「水上恒司」に改名。現在放送中の趣里主演のNHK連続テレビ小説『ブギウギ』で、ヒロインの最愛の人・村山愛助役を演じる。