あのとき、踏み出してよかった

 親交のある女医の友利新さんからこんな話を聞いたときも、「あのとき、踏み出してよかった」と実感した。

君島「スマホもない時代、医学生だった彼女は、当直室では本を読んで時間を潰していたそうです。その本のひとつが、『エレガンス・バイブル』だったというんです。“ドクターとしてどういうふうにやっていこうかと思っていた矢先に、こんな人がいるんだ! と衝撃を受け、刺激になった”と言ってくださったんですよ」

 また、別に君島さん自身の影響力を実感させるエピソードがある。2001年当時、セレクトショップ「フェリーチェ青山」をオープンさせた当初のことだ。

君島「洋服を買いに来るお客様が、決め手に欠けたのか“やっぱりまた今度にするわ”となってしまうのはよくあることですよね。そんなとき、インターバルに私がひょこっと出ていきまして、“このお洋服にはこんなメイク、こんな髪型、こんな口紅が似合います。とってもステキです”なんて、モデル出身の強み生かしてお話をさせていただいていたんです」

ーーすごくスマートなシステムですね!