高木ブーの名前を連呼した楽曲でクレーム
トラブルも多く経験した。シングル『高木ブー伝説』（※８７年に自主製作としてリリースされ、のちに正式に『元祖高木ブー伝説』として８９年にメジャーから発売された）の歌詞について、ドリフターズの事務所関係者を名乗る人物からクレームが入り、レコードの自主回収をしたこともある。
――一連の回収騒動は、怖くなかったでしたか？
「怖かったですよ（笑）。もう人生終わったかと思いましたね。でも、クレームはいたずらだったんですよ。ただメジャーデビューしてから、やっぱり問題になった時に、高木ブーさんご本人が“若いやつらがわけもわからず言っているのだから良いじゃないか。何度も名前を呼んでくれて宣伝にもなるよ”っておっしゃってくれて、解決したんです。すべてブーさんのおかげですね」
――ほかにも、楽曲の中に固有名詞が入っているものがありますが、問題になった曲はありましたか？
「それはなかったですね。高木ブーさんのも、やっちゃいけないことをやっちゃった。若さって怖いですよね。８０年代はパンクの時代だから、今で言うと“迷惑系ＹｏｕＴｕｂｅｒ”みたいな存在だったよね（笑）。みんな目立とうとして、ステージで悪いことをやっていましたからね。とがっているのが、かっこいいっていう時代だったんです。今だと全員、逮捕ですよ（笑）」
――バンドブーム後は、ラジオだけではなくテレビ番組にも出演されていました。ご自身ではどの活動が向いていたと思いますか？
「バラエティ番組に積極的に出演して、タレント活動をやらせていただいていた時期もありました。これも勉強になりましたね。でも、やっぱりテレビに出ているタレントさんって、違うんです。テレビの世界で生きていくと決めた人たちの覚悟やエネルギーって、半端ないんですよ。ずっとテレビの世界で活動するのは無理だなって実感しました」
――大槻さんがテレビでも活躍できたのは、どうしてだと思いますか？
「それまでって、ロックミュージシャンっていうと怖いイメージだった。その中でお行儀良くて、とぼけたことを喋る枠が空いていた。そこに僕がすっぽり入ったんじゃないかな」
笑顔でとぼけながらも、過去を振り返りながら語ってくれた大槻さん。きっとこれからもファンを夢中にさせることだろう。
大槻ケンヂ（おおつき・ケンヂ）
１９６６年２月６日生。東京都出身。８２年よりロックバンド・筋肉少女帯の活動を始め、８８年にメジャーデビューを果たす。同年、『オールナイトニッポン』（ニッポン放送）のパーソナリティに就任。９０年〜９４年にはバンドで単独武道館公演を行うも、９９年に筋肉少女帯の活動が凍結。０７年に活動を再開し、最新作にベストアルバム『一瞬！』など。ミュージシャン、作家、エッセイスト、タレントとして幅広い活躍をしている。
■筋肉少女帯ツアー『一瞬！』 ～メジャーデビュー35周年記念
●11/11(土) 愛知 名古屋 CLUB QUATTRO
OPEN 17:15 / START 18:00 All Standing
（SOLD OUT）
●11/15(水) 大阪 なんば Hatch
OPEN 18:00 / START 19:00 全席指定
●11/22(水) 東京 Zepp DiverCity
OPEN 18:00 / START 19:00 全席指定
Support member Pf.三柴理 / Dr.長谷川浩二
Ticket 前売 8,800円(税込/drink別)
■筋肉少女帯 2023ライブファイナル
12/23(土) 東京 恵比寿 LIQUIDROOM
OPEN 17:00 / START 18:00 All Standing
Support member Pf.三柴理 / Dr.長谷川浩二
Ticket 前売 8,800円 (税込/drink別)
