筋肉少女帯での夢、そして野望は海外へ

 メジャーデビューから35年目を迎えた今も、ミュージシャンとしての目標は高い。

ユニコーンウルフルズとか、僕らと同世代で毎年大きな夏フェスに出ているバンドもいるじゃないですか。筋肉少女帯も、フェスみたいなイベントに呼ばれても対応できる体力を持っていたいですね」

――筋肉少女帯といえば、武道館ライブが印象的です。

「筋少の武道館公演は5回やっていますね。自分がライブをするまでは、武道館のある九段下にも行ったことがなかったし、若い頃は“武道館幻想”なんて持っていなかった。逆に今こそ、もう何回かは武道館でライブをやりたいな。でも冬は嫌かも(笑)。
 冬の武道館って寒いんだよね。知り合いのバンドが冬に武道館でライブをやるのを観に行くと、会場が寒くてしょうがないんだよ(笑)。だから、できれば冬は避けたいかな」

――活動期間が長いと、ファンの方も長く応援されているのではないですか?

「そうですね。古いファンの方だと、何十年も前から観に来てくれているんです。僕が確認できている一番古いファンの方が、だいたい25、6年前から見に来ていますね。ライフスタイルが変わって、しばらく見に来られなかった人が戻ってきたりもする。そうやって、長い期間応援してもらえるのはありがたいですね」

――ファン歴が長い人たち以外にも、若い世代のファンもいますよね。

「ファン層は、つねに入れ替わりますね。異なる世代の人たちが、筋少を聴いていましたってリスペクトしてくれたりする。そうやって下の世代にも繋がっていく。筋少も今年でメジャーデビュー35周年だし、ファンのみんなも、“元気にステージに立っていてくれればそれだけでいい”って思っているのかもしれないですね(笑)」

 ライブ以外にも、今後の活動における野望がある。

「たとえば筋肉少女帯の曲が、TikTokでバズって、みんなで踊ってほしいですよね。戸川純さんの『好き好き大好き』みたいに、海外で大ブレイクとかしても楽しいんじゃないかな」

――ちなみに、大槻さんは飛行機が苦手だったと思うのですが、乗れるようになったのですか?

「乗れない……。だからたとえ世界のどこでブレイクしても、僕は行かない(笑)。海外のファンの人に日本に来てほしいな」

 大槻さんの絶妙すぎるトークで、同席していたカメラマンや編集者から常に笑い声が聞こえる。和やかな雰囲気のインタビューとなったのは、その人柄の表れだろう。

大槻ケンヂ(おおつき・ケンヂ)
 1966年2月6日生。東京都出身。82年よりロックバンド・筋肉少女帯の活動を始め、88年にメジャーデビューを果たす。同年、『オールナイトニッポン』(ニッポン放送)のパーソナリティに就任。90年〜94年にはバンドで単独武道館公演を行うも、99年に筋肉少女帯の活動が凍結。07年に活動を再開し、最新作にベストアルバム『一瞬!』など。ミュージシャン、作家、エッセイスト、タレントとして幅広い活躍をしている。

■筋肉少女帯ツアー『一瞬!』 ~メジャーデビュー35周年記念
●11/22(水) 東京 Zepp DiverCity
OPEN 18:00 / START 19:00 全席指定
Support member Pf.三柴理 / Dr.長谷川浩二
Ticket 前売 8,800円(税込/drink別)

​■筋肉少女帯 2023ライブファイナル
12/23(土) 東京 恵比寿 LIQUIDROOM
OPEN 17:00 / START 18:00 All Standing
Support member Pf.三柴理 / Dr.長谷川浩二
Ticket 前売 8,800円 (税込/drink別)