まさかの赤いちゃんちゃんこ事件!?

――大槻さんはミュージシャンであり、新曲『50を過ぎたらバンドはアイドル』というタイトルにあるようにアイドルだと思います。

「僕たちがデビューしたバンドブームの頃は、まだ20代だった。当時は、ロックバンドで世に出るなんてことは、若者が突然“俺はアメリカ大統領になる! “っていうのと同じくらい、周りから“なに、言っているの”って思われる無謀な話だったんです。

 でも今では僕よりも年上の先輩方が、元気にやっていらっしゃるからね。僕たちもまたギラギラしはじめるかもしれないですね」

 インタビューが進むにつれ、大槻さんはにこやかに最近のライブの様子や身の回りの出来事についても語ってくれた。

「今年の鬱フェスで、赤いちゃんちゃんこを着たんです。ステージ上ではメイクや衣装の上から着ているじゃないですか。でも、スタジオでアーバンギャルドとリハーサルをやったときに、ぼさぼさの髪型と素顔でちゃんちゃんこを着たら周りがシーンとしたんですよ(笑)。アーバンギャルドも僕を見て“あっ、おじいちゃんだ……”って顔をしていて」

――それはショックでしたね。

「去年の鬱フェスでは、出演者のアイドルグループのメンバーが、僕を見て“優しいおじいちゃんだ”って言ったんです。そうしたら、アーバンギャルドが”大槻さんはおじいちゃんじゃない“って言ってくれたのに、1年後に赤いちゃんちゃんこを着せるのはおかしいだろう、って思いましたけどね(笑)」

大槻ケンヂ 撮影/川しまゆうこ