選んだ道を正解にするように努力する

 変わろうとする時、踏みとどまるか、それとも進むかと迷うこともある。その時、どうすればよいのだろう。

「岐路に立たされることはあるでしょうね。その時、どちらかを選び、上手くいかないことがあったとしても、“実は、誤った選択をしたのではないか”と考えるべきではないと思います。

 “その選択でよかった、きっとベストだった。だから、あなたはその道を選んだんですよね…”。そんなことを言いたいし、自分に言い聞かせてもいるんです。むしろ、選んだ道を正解にするように努力することに力に注いだほうがよいのではないでしょうか。

 必死にがんばっていると、誰かが見てくれているものです。子どもの頃に、母親が“必ず、誰かが見ていてくれる”と何度も教えてくれました。“絶対に誰も見ていないよ”と言い返していたのですが、今は母の言っている通りだな、と思います」

 浦和のサッカーファンにメッセージを。

「浦和は、大好きですよ。僕にとっては浦和と清水が故郷であり、地元。浦和のみなさんには、いつまでも埼玉スタジアムに通っていただきたいですね。選手たちやサッカーを応援してほしい。もちろん、僕らの会社・AuB(オーブ)もサポートします。だからこそ、我々のこともぜひご覧になっていただきたい。

 母親?元気ですよ、元気すぎる(笑)。すごいんですよ、“あなたの会社のあの製品、友人や知人に宣伝しておいたからね”って。今も、腸活を勧められます。僕が元気なのは、妻と母のお陰です」

 洋服が好きなようで、ファッションセンスが抜群。最近は内面的な魅力を漂わせる人に憧れるという。「アメリカの俳優ブラット・ピットは、Tシャツだけ着ていても格好いい。僕もあのようになりたい」。取材をこう締めくくり、出張のため、北陸へさっそうと向かった。

■鈴木啓太(すずき・けいた)
 1981年、静岡市生まれ。中学は東海大一中に在籍し、全国中学校サッカー大会優勝。高校卒業と同時に2000年、Jリーグ浦和レッドダイヤモンズ(浦和レッズ)に加入。ポジションは、MF。2006年~2008年は日本代表となり、唯一全試合に先発出場。2015年に引退するまで、16年間浦和レッズで活躍。
 2015年には腸内細菌の可能性に着目し、腸内フローラ(腸内細菌の生態系)解析事業を行う研究開発型のベンチャー企業・AuB(オーブ)株式会社を設立。45競技1000人を超えるトップアスリートの腸内を研究し、酪酸菌など約30種の菌を配合した、腸内環境をケアするサプリメント「aub BASE」と、プロテイン「aub MAKE」を開発・販売をする。
 トップアスリートの腸内の分析データから独自の特徴を発見し、製薬会社や食品メーカーとの共同研究や自社製品開発を行う。スポーツ、ヘルスケアビジネスの分野でもコンサルティング、講演を続ける。2020年10月からは、YouTubeチャンネルを開設。チャンネル登録者数は2023年11月現在、25万を超える。