キャッチフレーズは「アッコ、とんがってるね」

ーー デビューしてみて、いかがでしたか。

「さっそく、作詞が森雪之丞さん、作曲が後藤次利さんというヒットメーカー2人にデビュー曲を作っていただいたんですが、まず『♂×♀×Kiss』というタイトルにビックリしました(笑)」

ーー『青い珊瑚礁』の路線とは、だいぶ違います。たしか、キャッチフレーズは「アッコ、とんがってるね」でしたよね。

「もちろん、デビュー曲は今でも大好きです。ただ、オリコンで最高131位と売れませんでした。歌番組でもコントに出るだけですし、『芸能人水泳大会』でも、画面片隅のワイプに顔を出すのが精いっぱいで」

ーー 思い描いていたアイドル生活とは、違っていたと。

「高校は、堀越学園の〝芸能コース〟に通いました。同級生の売れっ子たちは、朝のホームルームだけ出席して、すぐ仕事に行きます。校門の前まで車が来て、送迎つきです。  でも、私は事務所の寮から満員電車に乗って、最寄り駅から15分歩いて登校していました。毎日、6時間目まで授業に出て、おまけに皆勤賞ですから(笑)」

ーー当時、売れないアイドルは、セクシー路線に行くことも多かったですが、そうした話は?

「オファーもなかったですよ(笑)。そもそも、水着グラビアを撮影したのは3回くらい。しかも、雑誌の見出しには〝ニューカレドニア〟と書いてあったのに、撮影は熱海でした」

ーーそれはガッカリですね。

「ある雑誌で、有名な写真家に、ランジェリー姿で撮影してもらったこともあったんですよ。 めったにない機会ですから、キレイに撮ってもらおうと張り切りました。“もうちょっと、脱ぎましょうか”って、切り出したんですが……」

ーーおおっ! ついにセクシーグラビアが⁉

「ところが、写真家の先生に、キッパリと“けっこうです”って言われたんです。もう、ひっくり返りましたよ(笑)」