本当の転勤族と思われて
水沢「僕の所属する事務所は、役者班とバラエティ班で分かれていて、それまでバラエティの人たちとは交流がなかったんですけど、急に“京一郎見たよ、面白いよねー”と声をかけられるようになったんです。認知してもらえるって、こういうことなんだろうなって。
事務所に売ってもらえるようになったのは『ケンミンＳＨＯＷ』のおかげでもありますし、そこがターニングポイントになりましたね」
２人の視聴者人気もすごかった。
黛「私は徐々に認知度が上がっていった感じですね。ロケしていると“はるみちゃん、はるみちゃん”って、役名でよく声をかけられて。全国をまわるので、東京や関東だけでなく、どこに行っても認知してもらえるようになりました。
それと距離感がすごく近くて、ロケの合間に水沢さんと２人で待っていると、“私たちも転勤族なんですよ”なんてよく話しかけられました」
水沢「僕らが本当に地方に引越していると思っている人も多いみたいで、“あちこちに行って、書類の手続き大変でしょう”とか心配されたりして。
たまに“うちの県もお願いします。こういうのあるんで紹介してください”とか、ネタを提供してくれましたね。友達のような、見ている人と距離感が近いというのが、ありがたいところでしたね」
自分の地元を取り上げてくれることは、誰もがうれしく思うだろう。そして、それをプレゼンしてくれる京一郎とはるみは、言ってしまえば地元の仲間。だからこそ「辞令は突然に…」の京一郎とはるみは、想像を絶する人気者になったのだ。
水沢駿（みずさわしゅん）
１９７９年大阪府生まれ。２０００年から関西の劇団に所属し、０７年にタレントデビュー。同年に『秘密のケンミンＳＨＯＷ』（読売テレビ）内のドラマ「県の中心で愛を叫ぶ」に、主人公・東京一郎（あずま・きょういちろう）として出演。同ドラマは後に「辞令は突然に…」に発展し、爆発的な人気を誇る。その後も舞台やドラマなどで活躍している。
黛英里佳（まゆずみえりか）
１９８５年埼玉県生まれ。２００４年にモデルとしてデビュー。舞台などで活動した後に、０９年に「「辞令は突然に…」の東はるみ（旧姓：数寄屋橋はるみ）役を演じ、大人気となる。１５年にはドラマ『新・牡丹と薔薇』（フジテレビ系）の小日向ぼたん役・吉田富貴子役（一人二役）として主演。２０年に結婚し、熊本に移住後、第一子を出産。現在は東京に戻り、活動をしている。
