赤井英和のキャリアは唯一無二だ。世界を狙えるボクサーから大事故で引退。その後、俳優となり。1989年公開のデビュー作にして主演作『どついたるねん』が絶大な評価を獲得し、以来、30年以上にわたって活躍を続けている。
その活躍は、妻の佳子なしではありえなかった。一女二男を育て、マネジャーとして日々の現場にも同行。佳子さんが赤井家の日常を投稿するXは絶大な人気を獲得している。
2人にとっての「THE CHANGE」とはなんだったのか。あらためて、30年にわたる半生を聞いた。【第5回/全10回】
2人の長男・赤井英五郎は2021年9月にプロボクサーとしてデビュー。1994年9月22日生まれだから、27歳でのデビューとなる。英五郎さんは、2023年の東日本新人王のミドル級トーナメントで優勝。12月23日の全日本新人王では3回にTKO負けを喫して惜しくも全日本新人王のタイトル獲得はならなかった。
ーーもう、お孫さんもいらっしゃるんでしたね。
赤井「そうなんです。近くに住んでて、まあまあ来ますけども。3人の子供育ててきてますけど、あかちゃん、こんなんですよ(両手で包み込むようにサイズを示してくれる)。 生まれた時、こんなにやってたんで。えぇ、赤ちゃんってこんなに小さかったんや」
ーー孫は100倍可愛といいますけど、いかがですか?
赤井「いやまあ、確かに」
英五郎さんはプロボクサーでもありながら、父・英和さんの現役時代の姿を追ったドキュメンタリー映画『AKAI』を監督。2022年の9月に全国公開されたことでも話題を呼んだ。そこには親子のTHE CHANGEがあったという。
ーー英五郎さんはボクシングもやって、お父さんの映画も撮られて。
佳子「別にボクシングをやってからじゃなくても、好きなことできるんだよっていう。映画作るんだったら、ボクサーになってからじゃなくたっていい。でも、ボクシングをどうしてもやらないと次に行けない、となっちゃうんだと思うんですけど」
ーー映画をご覧になっていかがでしたか?
佳子「なんて面白いボクサーだったんだろう、みたいな。勝つとか負けるとかじゃなく。 やっぱり今ってなんでもスポーツでも皆さんスマートだから、ガチャガチャな人って……。スーパースターって強い人はいますけど、なんのスポーツでも、みんな綺麗じゃないですか。
だから、よっぽど知らないと違いがわからないっていうか、強いってことしかわからないけど、赤井はもうめちゃくちゃで、誰でもわかる。倒そうとしてるのが。
前に行く、前に前に行って、もう下がるっていうのはないわけだから、それは面白かっただろうなっていうのと、大阪全体が本当にうれしそうでした。もう我らが大阪が生んだっていう。その熱量」