日本の笑いが世界を驚かせている。2023年、とにかく明るい安村が世界的なイギリスのオーディション番組『ブリテンズ・ゴット・タレント』の決勝に進出。その後も各国の番組に登場し、大ウケをとっている。それにさきがけ、2017年から世界で活動しているコンビがいる。ゆんぼだんぷ。自身の身体を使っての唯一無二の芸で活躍する2人のTHE CHANGEとはーー。【第2回/全5回】

ゆんぼだんぷ カシューナッツ(左)と藤原大輔 撮影/三浦龍司

 2015年、『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ系)内の企画『博士と助手〜細かすぎて伝わらないモノマネ選手権〜』で披露した、静寂の中、水で濡らした腹を打ちつけ合い奏でる「まるで鏡のような水面に雨の雫が一滴落ちる音」で、視聴者にインパクトを与えたゆんぼだんぷ。

 進行を務めるバナナマン設楽統さんは、ひらめいたようにふたりにこんな提案をしたという。

カシュー「ネタが終わったあとに設楽さんが一言、“彼ら、コレ、世界でイケるんじゃない?”って言ったんです。僕らは海外なんて全然考えていなくて。ショートネタというか、宴会芸的な身近なネタを作ってテレビに出られたらうれしいな、くらいに思っていたから」

藤原「海外!? ってなりましたね」

 頭の片隅に芽生えた「海外」の二文字。ものは試しに、当時黎明期だったYouTubeに、自分たちの音ネタを投稿してみた。

カシュー「YouTubeなら海外に届くことがあるらしい、というのを聞いたんです。それで20カ国語くらい字幕を入れて、人気になればいいなあと思ったけど、よく考えたら、説明文とかタイトルは全部日本語でやってたから、海外の人が引っかかるわけがなかったんですよ」

藤原「今考えたらそうよね」

カシュー「全然ヒットはしなかったんですけど、芸人仲間は見てくれていて。そんなひとりだったGONZOさんが声をかけてくれたんです」

 タンバリン芸で知られるピン芸人のGONZOさんは、2015年に世界各国で開催・放送されている公開オーディションのリアリティ番組『ゴット・タレント』のアジア版『アジアズ・ゴット・タレント』に出場。準決勝まで進出した、日本の芸人における海外オーディション番組挑戦者のパイオニア的存在だ。