優勝する人は、ファンや味方がつきやすい人

カシュー「ほんとそう。むしろ番組側の指示で、演出の一貫として、言われましたね。通訳さんが困惑しながら伝えてきたんですけど、“僕らはお互い、生まれてからひとりも友達ができなくて、でもふたりは出会って初めての友達になり、このパフォーマンスをして大親友になったんだ。そして、ひとりじゃなくなったんだ”っていうストーリーをね」

藤原「それを考えると、いろいろ恥ずかしくなる(笑)。でもやっぱり、そういう設定があったほうが応援されやすいんですよ」

カシュー「優勝する人は、ファンや味方がつきやすい人なんだろうなと思います。そんな中で2013年に『アメリカズ・ゴット・タレント』でアジア人として初めて優勝したダンスパフォーマーの蛯名健一さんはすごいです」

 複雑な胸中を吐露しつつ、「日本人が海外の番組に出ている姿を見るだけで、うれしくなる」と、率直な喜びもにじませるカシューさん。

ーー最近では、2700を脱退したツネさんがアメリカでの挑戦を宣言したり、解散したばかりのゾフィーの上田航平さんが、「コントでアメリカ進出」を目標に掲げています。

カシュー「いろいろな人が海外を目指そうという流れは、数年前からある感じはしていますよね。それこそ、渡辺直美さんは成功しました。“日本の芸は海外で通じる。国境を越えていける”というのは、たぶんみんなの中にふわっとあるんだと思います」

 笑いは国境を越える。世界中の笑顔を目に焼きつけてきたふたりだからこそ、その言葉に実感がこもっていた。

■ゆんぼだんぷ
カシューナッツ
1986年9月19日生まれ。岡山県出身。
藤原大輔
1984年2月25日生まれ。兵庫県出身。
2008年にコンビ結成。2015年に『博士と助手〜細かすぎて伝わらないモノマネ選手権』(フジテレビ系)で優勝し、身体を使って音を出すネタでさまざまなメディアに出演。2017年に世界的スター発掘オーディション番組『ゴット・タレント』に出演。以後、海外10カ国以上でパフォーマンスをする。