日本の笑いが世界を驚かせている。2023年、とにかく明るい安村が世界的なイギリスのオーディション番組『ブリテンズ・ゴット・タレント』の決勝に進出。その後も各国の番組に登場し、大ウケをとっている。それにさきがけ、2017年から世界で活動しているコンビがいる。ゆんぼだんぷ。自身の身体を使っての唯一無二の芸で活躍する2人のTHE CHANGEとはーー。【第5回/全5回】

ゆんぼだんぷ カシューナッツ(左)と藤原大輔 撮影/三浦龍司

 2017年から海外進出し、各国の『ゴッド・タレント』に出演しているゆんぼだんぷ。世界で名を売っているということは、すなわち日本での活動も安泰……かといえば、意外にもそうすんなりとはいかなかった。

カシュー「なんとか海外での仕事が増えてきて、さあやるぞと事務所を辞めてフリーになったとき、その翌月にコロナ禍がやってきたんです。僕らはもろにコロナの影響を受けてしまいまして」

藤原大輔(以下、藤原)「収入もまったくなかったんです」

カシュー「しかも僕らのネタは、“濃厚接触になるからダメです”と言われて。“ふたりの間にパネルを立てて、それでネタをできますか?”と言われたこともあります。そうなると、お腹をパネルに当てて、それで音を鳴らすことになるという……」

ーーそれはもう、身体を使って鳴らす音ではないですね。

カシュー「試行錯誤してくれるのはありがたいんですけどね。だから僕は、イチローさんのモノマネをするニッチローさんが去年オープンした焼肉屋『すずり焼肉SUZURO』でバイトしてて」

藤原「僕は派遣バイト。僕が行ってた派遣ってほんとうに劣悪で、名前も呼ばれずに番号でコキ使われるの。ほんまイヤなのよ」

 そんな生活が一変したのが、今年8月23日、朝の情報バラエティ番組『ラヴィット!』(TBS系)で開催された『耳心地いいー1グランプリ2023』で優勝した瞬間からだった。