キングオブコント2023を史上最高得点、史上最年長で優勝したサルゴリラ。児玉智洋と赤羽健壱は高円寺生まれの同級生コンビだ。芸人人生20年と聞くと苦労人のように思えるが、彼らは「楽しさ」を忘れることはなかった。サルゴリラの「THE CHANGE」とは? 【第1回/全3回】

サルゴリラ

コンビ継続の「ルール」は諦めて付き合うこと

――お二人は高円寺出身の幼馴染なんですよね。

赤羽 「4歳からなので、40年の付き合いになります」

児玉 「観てきたお笑い番組も一緒」

赤羽 「『ダウンタウンのごっつええ感じ』(フジテレビ系)、『ガキの使いやあらへんで』(日本テレビ系)の直撃世代ですから」

児玉 「松本人志さんのビジュアルバムなんて、いまも寝る前に観ることがあって」

赤羽 「20年以上前なのに、いま観ても面白いんです」

児玉 「ずっと仲がいい理由のひとつに“お笑いの感覚が合う”というのはあるかもしれないです。出会うべくして出会ったというか(笑)」

赤羽 「奇跡が起きたんでしょうね(笑)」

児玉 「気持ち悪っ!(笑)」

――赤羽さんが児玉さんを誘ってNSCに入りますが、滝野元気さんを加えたガッチャを結成します。

児玉 「僕らはゆるかったんですよ。まわりは“笑いで勝負するんだ”と上京してきたハングリー精神が強い人ばかりだったけど、僕らは実家に住んでましたから」

赤羽 「幼馴染のコンビがもっとたくさんいると思っていたから、意外といないんでビックリしました」

児玉 「同じクラスの滝野元気と仲良くなって、3人で行動しているうちに“トリオでやろう”という話になったんです。楽しかったからノリで結成しました(笑)」

赤羽 「普通だったら幼馴染がいるのに、最近会った人を入れないですよ」

児玉 「最近、ノリで入れるもんじゃないと理解しました(笑)」

――同期にハリセンボンしずるライスがいましたが、ガッチャは首席で卒業します。

児玉 「卒業後、『ルミネtheよしもと』からのスタートだったので、このままいけるんじゃないかとは思いました。ただ、ガッチャは歌って踊りながら出てきてオーソドックスな漫才をやるというスタイルで。それが段々と恥ずかしくなって、“もっとスタイリッシュなボケをしたい”とガッチャを脱退したんです」

赤羽 「幼馴染の僕も抜けて。元気だけが残ったんです」

――揉めたわけではないんですよね。

赤羽 「普通は気まずくなるだろうけど、元気はいい奴だからそんなこともなく。元気も高円寺に住んでいるので、いまでもちょくちょく会ってます」