2010年代、女子高生たちにカリスマ的人気を誇った西内まりや。ファッション誌『Seventeen』(集英社)の看板モデルとして活躍し、歌手活動、女優業と縦横無尽に活躍した。10代、20代を嵐のように駆け抜けた西内さんの「THE CHANGE」にせまる。【第3回/全3回】
2010年代、ティーンにとってのカリスマとして圧倒的な支持を獲得していた西内まりや(30)。
そんな西内さんに人生最大の危機についてたずねると、「起こる出来事に人や自分を信じられなくなってしまい、自分を愛せなくなってしまったことです」という答えが返ってきた。その危機をどうやって打破したのだろうか?
「時間をかけて全てを受け入れ、心が喜ぶ環境を優先し自分を少しずつ愛しました。いつでも起こる出来事を学びにし、プラスに変える事は大事だと学びました」
そして、こう言葉を続ける。
「もう5,6年前くらいになるんですけど、独立をして自分で会社をやっていくときに、自分を知る時間を作ったんですよね。今までは“誰が何を好きなのか?”を分析してきた。でも、“自分は何が好きなんだ”っていうのが、たぶん一回わからなくなってしまったんです」
モデル、歌手、女優業……多岐にわたる「表現」で人の心を動かしてきたが、当の西内さん本人が自分を見失ってしまっていた。
「自分が好きなものを知らないと、やっぱりアウトプットする中身がなくなっていて、どんどん自分自身を自分で理解できなくなっていく。そうすると、自分も愛せなくなっていくし、表現者として何かを伝えるとか、世の中の人たちに何かを表現するっていうエネルギーも枯渇していくんですよ」
そこで西内さんは、今までの自分を大きく変える経験について話してくれた。
「“やばい”と思って、まずは自分に向き合って、自分が何が好きなのかを探し始めたんです。23歳ごろから、ニューヨークやロサンゼルスに一人旅していました。環境をがらっと変えてみたんです。
10代から仕事だけに専念してきたので、自分と向き合う時間を作りました。何が好きでどんな人間なのか。自分の良いところも悪いところも知るきっかけになり、受け入れて本来の自分を愛することができました」