いまから9年前、「耳が聞こえない作曲家」のゴーストライターをしていたことを告発し、一躍世間にその名を知られることとなった新垣隆。その後、バラエティ番組への出演やポップスの世界でも活躍、2018年からは、川谷絵音小籔千豊らとともにバンド「ジェニーハイ」を結成し、人気を集めている。そんな彼が出会い、生き方が変わることとなった変化、「THE CHANGE」とはいったいなんだったのだろうか。【第1回/全4回】

新垣隆 撮影/片岡壮太

 おそらく多くの人にとって、新垣隆さんを初めて知ったのはいまから9年前、2014年に起きたあの「告発会見」だったのではないだろうか。

 最近の新垣さんは、若者を中心に絶大な支持を得ている5人組バンド・ジェニーハイのメンバーとしても活躍しており、さらなる今までの音楽活動を包括するような新しいコンサートに取り組もうとしている。いったいどのようなものなのか?

「コンサートは今までもずっと続けてきているんですが、元々やってきたクラシックや現代音楽に加えて、ここ数年出会ってきた色々なジャンルの音楽も全部含めたコンサートをしていきたいなって思ったんですね。

 それで、この度ヴァイオリニストの廣津留すみれさんとご一緒に、クラシックの名作を再解釈するような試みをしながら、シリーズとして続けていくコンサートをすることになりました」

 廣津留すみれさんは93年生まれの30歳。高校卒業後にハーバード大学に進学し、ニューヨークのジュリアード音楽院でヴァイオリンを専攻し、首席で卒業した。