「自分はずっと狭いフィールドで音楽をやってきたなという思いがあった」新垣隆さんがこれからやりたいこと

 ではなぜ演奏家、作曲家としてクラシック音楽の分野で大きな足跡を残し、また現代音楽という、従来の音楽様式を更新する先鋭的な音楽ジャンルでも活躍してきた新垣さんが、いまなぜこのタイミングでそのようなコンサートを開こうというコンセプトにたどりついたのだろうか。

新垣隆 撮影/片岡壮太

「今までの活動を踏まえると、やはり自分はずっと狭いフィールドで音楽をやってきたなという思いがあったんですよね。でも、この10年間の色々な活動を通して、自分の音楽性が広がりを持つことができたので、そのことを踏まえたコンサートがやりたくなってきたんです。

 もう一つには、改めて自分がやるべきことは何かを考えていこう、と思ったことも理由としてはあります。もう一回気持ちを新たにして、改めてクラシック音楽をやり始めたいな、という思いがありました」

 あの「告発会見」があり、様々なジャンルへの楽曲提供を踏まえ、ポップスの最前線を突き進む『ジェニーハイ』のメンバーとして活動するなど、新垣さんにとって目まぐるしい日々であったことは想像に難くないこの10年間。この日々が、新垣さん自身にまた新しい大きな一歩を踏み出させる変化「THE CHANGE」をもたらすこととなったようだ。

新垣隆(にいがき・たかし)
1970年9月1日、東京都清瀬市生まれ。桐朋学園大学音楽学部作曲科を卒業すると、同大学の音楽学部の作曲専攻にて非常勤で講師を務めるかたわら、桐朋学園大学院大学でも特任教授を務めた。クラシック音楽の演奏家、作曲家としての活動のほか、映画や舞台、CMなど多岐にわたって楽曲を提供。2018年からは、川谷絵音(ゲスの極み乙女。/Indigo La Endなど)吉本興業所属のお笑い芸人・小籔千豊らと組んだバンド「ジェニーハイ」のメンバーとしても活動している。

コンサート『廣津留すみれと新垣隆の深掘り音楽実験室』
ヴァイオリニストの廣津留すみれと、作曲家・新垣隆が、クラシックの名作を再解釈し現代の感性で新たに息吹を吹き込む全く新しい音楽体験を提供すべく、シリーズ第一弾として12月16日、ベルサール虎ノ門にて開催。
チケット販売はカンフェティにて。
https://www.confetti-web.com/detail.php?tid=75650&