スーパー銭湯アイドルとして、幅広い年代に人気を誇るムード歌謡グループ『純烈』。その中心人物であり、リーダーを務めるのが酒井一圭(48)。子役から戦隊シリーズのヒーロー、そしてアイドルグループのリーダー。その変幻自在なキャリアの「THE CHANGE」にせまる。【第5回/全5回】

純烈・酒井一圭 撮影/冨田望

 

「戦隊ものに出ていた頃は、個人事務所のような弱小のプロダクションに所属していたんです。その頃は、小さなプロダクションに所属している俳優が、戦隊もののオーディションを受ける時代だった」

 酒井さんを始め、純烈のメンバーは戦隊ものと呼ばれる東映製作の『スーパー戦隊シリーズ』出身者が多い。今となっては俳優やタレントの登竜門ともいえる戦隊シリーズだが、当時は、まだ無名の俳優が起用されていた。

「ご存じのとおり、“忖度だらけの芸能界”なので(笑)。事務所に所属している一押しタレントは仮面ライダーや戦隊ヒーローのオーディションを受けることすらなかったんじゃないかな。だから自分から出たいと希望したというよりは、事務所から受けに行くようにいわれたからですね」

――自分から受けにいったオーディションではなかったのですね。

「いわば戦隊もの俳優たちは地方競馬みたいなものですね。それでも、オーディションを受け始めて2年間は、最終オーディションまで残っても落ちていました。『百獣戦隊ガオレンジャー』(2001年)でやっと掴みに行った感じですね」