英単語とジェスチャーだけの漫才をオーストラリアで披露

 そうした力は、海外でも発揮された。オーストラリアで1か月、大道芸を披露しながらアパート暮らしをしていたことがあるという。

「影絵劇団の手伝いをしていたことがあり、そこの座長から"シドニーでジャパンフェスティバルという日本の伝統芸をやるイベントをやるんだけど、日本の芸人枠がふたつあって、面接を受けてみない?”と誘われたんです。そこで、”アクション・モノマネ・バルーンアート・パントマイム・マジック・ジャグリングなど沢山の芸があり、英語でトークして笑いも取れます!”と大風呂敷を広げたら、受かっちゃった」

 現地では、もうひとり日本から参加していた大道芸人を誘い、「パフォーマンスを入れた漫才を一緒にやろう」と誘った。

「初日の夜、寝ないで英単語とジェスチャーだけの漫才を作りました。翌日やると、めっちゃウケたんですよ。すごくシンプルですよ。"How are you?”とか訪ねて、”Fine”と言わせ、”もっと大きな声で!”と何度も言い直させて、”OK! Bye”と帰ろうとする相方をツッコむ、みたいな」

 デビューしてから現在まで、いつでもどこにいても、ほいさんはただただシンプルに、「人を楽しませたい」を貫き続けている。

ほいけんた
1965年7月7日生まれ、東京都出身。高校2年生の頃にアクションチーム入りし、1983年に俳優デビュー。以降、お笑い芸人としてストリップ劇場やショーパブで修行、プリンセス・テンコーのアシスタントを経てマジシャンや大道芸人としても幅広く活動し芸を磨く。明石家さんまのモノマネで注目を浴び、本人役で再現ドラマに多数出演するようになる。2020年に歌うま芸人として認知を高め、2022年9月に出演した『千鳥の鬼レンチャン』(フジテレビ系)をキッカケに大ブレイク。「カラダぐぅ」「くるっくー」などのフレーズは大バズリしている。