2023年に『千鳥の鬼レンチャン』で大ブレイクした芸歴40年を超えるピン芸人・ほいけんた。58歳にして国民的な存在となり、全世代を沸かせている。明石家さんまモノマネの第一人者としても知られるほいさんの「THE CHANGE」とはーー。【第3回/全5回】

ほいけんた 撮影/冨田望

 現在、58歳にして大ブレイク中のほいけんたさん。明石家さんまさんのモノマネ芸人、『千鳥の鬼レンチャン』(フジテレビ系)での独特すぎる歌うま芸人……といった顔を持つが、2024年で芸歴なんと41年の大ベテラン。これまで、さまざまな芸を磨いてきた。

「いろんなことをやっているんですよ。それに、ひとつひとつは浅くもないんです。たとえばマジック。小学生の頃から興味を持って、中学生で友達相手に披露して。高校生のときにプロが通うマジックショップに出入りしていました。お金がないから道具は買わずに、いろんなマジックを見て自作するような、そんな少年だった」

 1983年から役者として映画や舞台に出演していたが、1986年、世界的なイリュージョニストのプリンセス・テンコーのミュージカルのオーディションに参加し、みごとに合格した。

「僕はテンコーさんになんの敷居もなく話しかけるようなヤツだったので、気に入ってくれたのか“アシスタントやってよ”と誘われました。それから2年くらい、海外公演にも同行しました。ただ、思ったよりたいへんで……」

ーーどんなことをするんですか?

「やってることはね、ほぼ引っ越し屋です。大道具の量がはんぱじゃないんですよ。アシスタントとしてステージに立つが、“あれ? 俺、その他大勢だ。目立てないわ”と、辞めることにしました」