テニスファンだけでなく、多くのスポーツファンに衝撃を与えた加藤未唯選手(29)の全仏オープン女子ダブルスでの失格事件。しかし、さらに人々を驚かせたのは、その直後に出場した混合ダブルスで、加藤選手が優勝をはたしたことだろう。テニス4大大会での初優勝を成し遂げ、さらなる飛躍を目指す加藤選手に、これまでの自分を形作った「CHANGE」を聞いてみた。【第2回/全3回】
プロを意識していなかった高校時代
2013年、19歳でプロ転向してから10年。WTA女子ダブルスランキング26位(24年1月現在)と、世界的なプレイヤーにまでのし上がった加藤未唯選手(29)だが、プロを意識するようになったのは意外と遅かったようだ。
「大学まで行けるようにと、付属の中学校を受験したので、そのときはこんなにテニスをやるとは思っていませんでしたね。高校にあがったときも、プロになるとか考えていませんでした。高校3年生のときにプロになることを決めて、学校に、大学には行かないのでなんとか卒業させてくださいってお願いに行ったぐらいですから」
高校の入学当初はプロを意識していなかった。しかしその気持を変える試合があった。
「高校1年のときに、全豪オープンジュニアのダブルスに出場して、準優勝したんです。その頃から一般でも出場してみたいなと思いましたね。ただ、絶対プロになるぞ、という感じではなく、まだぼんやりとでしたけど」
そこまでの戦績を残しながらも、まだぼんやりとした気持ちだったという加藤選手。しかし、高校を卒業してプロ転向をした2年後の15年からは4大大会の予選に挑戦を始め、16年には全仏オープン女子ダブルスに初出場。実力を発揮し始めた。