YoutubeからTikTok、契機となった東京03飯塚さんの言葉

――オリエンタルラジオ中田さんの「提言」パロディをはじめ、ビックモーターやドラマ『silent』など、YouTubeチャンネルでは時事ネタを扱っています。速度やクオリティにこだわりはあるんですか?

大水 舞台でやるネタは、作ってからタイムラグが発生するので、時事を扱ってこなかったんです。でも、YouTubeならネタを撮った当日に上げることができるから、時事ネタもいけるなと思って。いつもアイデアがゼロの状態から「最近、話題になってることはなんだろう」と二人で話して撮影しているんです。クオリティに関しては、いい意味で「ゆるくてもOK」にしています。スピード感重視で。

―― 時事ネタというと、爆笑問題ナイツのように毒があるイメージですが、ラバーガ
ールからは毒を感じません。

飛永 ストレートに毒を吐ける腕も覚悟もないので(笑)。そもそも、僕らには主張がないんです。あくまで時事は「お題」で、それを使って面白いことをしたいだけ。旬な話題があっても、面白くイジれそうになかったらボツにします。「Mステでタモリさんばかり司会をしているのは忖度かもしれない!」もズラしたつもりだったけど、「そこをイジるのはどうなんだ」という意見がきたので難しいですよね。

大水 9割の人が面白いと感じても、1割の人が怒っていたら、やらないほうがよかったのかなと思うけど、誰も文句のつけようがないネタは面白いのか、という気持ちもあります。

飛永 いまは流行がわかりにくい時代だから、100人中100人が知っている時事もないというか。

大水 『サンクチュアリ』(Netflix)が流行った時に、失敗したら全部「四股が足りないからだ」と言うネタを考えたけど、一般的にどれだけの人が観ているんだろう、意外と狭いんじゃなかと思ってボツにしたんです。

――「AVばっかり薦めてくる人」シリーズを観ると、ラバーガールはスタイリッシュに見えて、やってることはくだらないところが素敵だなと思います。

大水 舞台ではやれないけど、YouTubeならいいんじゃないかな、と思って。2、3回やったら、「このシリーズを楽しみに生きてます」というコメントがきました(笑)。

――その人の人生が気になりますけど(笑)。台本はどこまで書かれているんですか?

飛永 ブロックごとのボケを考えて、それが箇条書きされたプロットのようなものがあるだけで、収録も一発撮りです。YouTubeは8分以上だと広告を打てるので、二人で必死にアドリブで引き伸ばすこともあります(笑)。

――TikTokがバズっていますが、『にちようチャップリン』(テレビ東京系)で「いぶし銀芸人」として紹介されたことがきっかけだとか。

飛永 そういう形でしかネタ番組に呼ばれなくなったのと、東京03飯塚さんから「ネタのつかみが面白い」と言われて、「じゃあ、つかみだけの動画を上げてみよう」というのが始まりでした。

――TikTokを研究したんですか?

大水 研究どころか、他の動画を見ることもありませんでした。僕らがダンスを踊ってもしょうがないし、得意なことをやってダメならやめればいいと思ったんです。結果、バズッたという。

飛永 TikTokを始めたばかりの頃に、飯塚さんが『佐久間宣行オールナイトニッポン0』(ニッポン放送)で「最近ハマっているもの」で僕らの動画を挙げてくれたんです。さらに、佐久間さんが『クローズアップ現代』(NHK)の「タテ型コンテンツ」で紹介していただいて。そこから伸びていったんです」

 

飛永翼(とびなが・つばさ)。1983年2月13日生まれ、静岡県出身。
大水洋介(おおみず・ようすけ)。1982年12月12日生まれ、青森県出身。
2001年結成。2010年、14年に『キングオブコント』決勝進出。
ラバーガール公式TikTok(rubbergirl_official)。
YouTubeチャンネル(ラバーガール Official YouTube Channel@RubberGirl、第2ラバーガールChannel 【公式】@rubbergirl2)。「ラバーガールLIVE『インフルエンサー』」のDVDが発売中。

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