「純度が高まった」芝居への向き合い方
――「この仕事が好き」という部分は、仕事を始めた当初から変わっていない気持ちでしょうか。
「仕事を始めた当初は、正直、少しずれたところを見ていた時期もあったと思います。役者になりたかったはずなのに、“あいつに負けたくない”とか“有名になりたい”とか、本来の目的とは別のところに執着してしまった。でも今は、芝居をするという目的に向かっての純度が高まった感じです」
――純度が高まった、ですか?
「もともと芝居が好きで俳優になりたかった。その仕事ができている、そこの純度だけで見られるようになりました。その20年間やったんかなって思います」
―それを可能にしていったのは、役との出会いでしょうか。現場での経験ですか?
「全部です。自分は無知でアホで良かったなって思っています」