キャリアを重ねても「知りたい熱量」は変わらない

――“無知でアホ”ですか?

「何が自分にとってのターニングポイントになるのか、自分にとって何が必要やったのか。それを抽出しているのは自分自身だから、自分の視点以外ないですよね。人に救われたこととか、人に受けた恩とか、感銘を受けたこととかって、見過ごそうと思えばいくらでも見過ごせると思うんです。

反省ばっかりの人生ですけど、自分が無知であることは理解している。だからこそ、いいものを拾って純度の高いものにしてこられたと思っています。その生き方で良かったと思うし、無知であることを理解しているって、めっちゃ強いことだと思ってます、知りたい熱量でここまで来た感じです」

大東駿介 撮影/三浦龍司

――「知りたい熱量」というのは37歳になった今現在も続いていますか?

「もちろんです。なんでも教えてください。知りたいです。年齢を重ねてもキャリアを重ねても、“どんどん教えてください!”って思っています。出てくる若手もすごいエネルギーだし、時代も変わってくるし、新しい表現とか新しいプラットフォームも増えてきて、止まる時間はないです。ワクワクしてます。体も昔より若返っている気がします」

――好奇心も、むしろ高まっていそうに見えます。

「高まってますね。周りから落ち着けって言われるくらいです(笑)」

目の前の大東さんから、その言葉にウソはないと伝わって来る。こうした熱量が、いま現在の大東さんの活躍を生んでいるのは間違いない。

大東駿介(だいとう・しゅんすけ)
1986年3月13日生まれ、大阪府出身。2005年ドラマ『野ブタ。をプロデュース』でデビュー。09年後期の連続テレビ小説『ウェルかめ』で注目される。12年には大河ドラマ平清盛』に出演。近年の主な出演作にドラマ『妖怪シェアハウス』『大奥 Season2「幕末編」』、映画『バイオレンスアクション』『Gメン』など。現在、ドラマ『仮想儀礼』『厨房のありす』が放送中。公開中の映画『罪と悪』では陰惨な過去と向き合う3人(高良健吾、大東、石田卓也)の幼なじみのうち、刑事となった晃を演じている。公開待機作に『映画 マイホームヒーロー』がある。

■作品情報
映画『罪と悪』
監督・脚本:齊藤勇起
エグゼクティブプロデューサー:古賀俊輔
プロデューサー:湊谷恭史
出演:高良健吾、大東駿介、石田卓也、村上淳佐藤浩市(特別出演)、椎名桔平
(C)2023「罪と悪」製作委員会
配給:ナカチカピクチャーズ 
公開:2月2日(金)