いま最も輝いている女優のひとり小芝風花。2クールつづけて地上波ドラマのヒロインを演じ、CM出演も多数。さまざまな役柄を演じる俳優は、仕事自体が「CHANGE」と言える。そんな小芝が2月8日、日本映画テレビプロデューサー協会主催の「2024年 エランドール賞」新人賞を受賞した。受賞式には「波よ聞いてくれ」で共演した北村一輝が登場し、花束贈呈のサプライズも。あふれるエネルギーを感じさせる小芝さんだが、これまでどんな「CHANGE」を経験してきたのだろうかーー?【第1回/全4回】

小芝風花 撮影/冨田望

 エランドール賞は、映画、テレビ番組作品、新人俳優、番組プロデューサーなどに送られる賞。1956年に創設され、その歴史伝統の重みから、業界の数ある賞の中でも最も権威あるものの一つといわれている。第一回では石原裕次郎、高倉健などが選ばれている。その中で、一年を通じて最も活躍した将来有望な新人俳優に贈られるのが新人賞だ。今年は小芝のほか、目黒蓮(Snow Man)、今田美桜、眞栄田郷敦、磯村勇斗、堀田真由が受賞した。

特殊だった『波よ聞いてくれ』「燃え尽き症候群になってしまって…」

 春のドラマ『波よ聞いてくれ』(テレビ朝日系)での金髪姿から一転、7月期のドラマ『転職の魔王様』(カンテレ・フジテレビ系)では黒髪に戻し、パワハラで心を砕かれてしまった、社畜系の会社員を演じた小芝風花さん。

 取材場所にあらわれた小芝さんは、金髪から黒髪に「THE CHANGE」していた。さらに黒の衣装に身を包み、アクセサリーはシルバーでまとめられていて、シックな雰囲気も漂わせていた。

『波よ聞いてくれ』では裏表のないサバサバした性格のカレー店の店員兼ラジオパーソナリティを演じ、『転職の魔王様』では社畜の役。極端に差のある役柄だが、前の役をひきずったりはしないのだろうか?

「いつもは気持ちの切り替えはわりとスムーズで、撮影スタートとなったら、スッと役に入れるんです。カットがかかればいつもの小芝に戻るので、撮影期間中も、その役から抜け出せなくて困るということも、ほとんどありませんね」

 さすがはプロ、というところだが、今回に限ってはうまくいかなかったようだ。

「今回は切り替えるのが大変だったんです。『波よ聞いてくれ』が終わったときに、燃え尽き症候群みたいになってしまって。無事に終わった安心感もあったんですけど。今回の『転職の魔王様』に向けてスイッチを入れるのに、すごい時間がかかってしまって。こんなに苦労したのは、初めてですね」