「“死ぬ”ってどんな感じだろう」と考えるように
当たり前の順序として“死”について考えるようになったという斉藤さん。だからこそ、そこに「悲壮感はない」とも。
「もちろん若干、恐怖心はあります。病気はつらいだろうなとか。でも本当に“死ぬ”ってどんな感じだろうということは、よく考えるようになりました。同時に、それは当たり前のことなんだということも」
――死を意識するとのことですが、目の前の斉藤さんはとてもお若く見えます。俳優としてはもちろん、歌を歌うことも精力的に続けていますね。声もお若いです。
昨年、大評判となったドラマ『大奥(NHK)での春日局や、娘を束縛していることに気づけていなかった母を演じた『いちばんすきな花』(フジテレビ系)など、直近の役柄だけでも強烈なインパクトを残している斉藤さん。公開中の映画『マッチング』でも、その存在感を十二分に発揮している。ドラマ出演が多いことで俳優としての印象が強いが、歌手としての活動も継続している。
「タバコを吸わない、お酒も飲まない」ことと声の関係
1990年には自身がプロデュースを務め、全作詞を担当したオリジナルアルバム『MOON』を発表。作詞家として、ミュージカルに楽曲を提供してきた。その後もアルバムを発表し、年末には毎年、ビルボードライブなどでXmas Liveを行っている。
「私はタバコを吸わないし、お酒もまったく飲まないので。もしかしたら、そこは声に関係があるかもしれないですね。血液循環に悪いこととか、依存してしまいそうなことはしてきていません。それとお酒を一緒に飲むようなお友達もいなかったですし。たとえば芸能界の人たちと一緒に飲むとか、遅くまで外で出歩くとか。そういったことも一切してきていないです。そんな時間もなかったですしね。そういった意味ではすこぶる健康かもしれません(笑)」
――時間もなかったとのことですが、アイドル活動をされていたときは、特に時間がなかったのかなと。もともと斉藤さんは自分に自信のない子どもだったとのことですが、「アイドルとして世に出たこと」を、ご自分ではどう考えますか?
「最初は違和感だらけだったし、ぎこちなかったですよね。かなり年齢を重ねるまで、そこは拭えなかったです。アイドルという年齢を超えた今も、“結局、あれは何だったんだろう”“あの時代はなんだったんだろう”という感覚はずっとあります。私は、アイドルという意味では、たぶん全然プロじゃなかった」