NGの少ない佐久間大介、イベントで見せる高いプロ意識
――佐久間さんはどんな印象でしたか。
「佐久間さんは今回“狂気のストーカー”役だったんですけど、役柄としてセリフをしゃべっているときと、ご本人とのギャップがあまりにもすごかったです(笑)。お芝居をしているときの佐久間さんは、ものすごく真面目で、お仕事をきちんとされる方という印象です。変に自分でアレンジされずにセリフをきちんとその通りにやって、役柄をちゃんと把握していく。佐久間さんはNGも少ないですし、ものすごくきちんと準備してお仕事をするスタンスの方だと感じました」
――ギャップというのは。
「完成披露のイベントなどでご本人を見たりして。明るくてオープンで楽しい。声が大きくて、みんなを笑わせてという。あれも彼の本質なんでしょうけど、現場ではまったく真逆のプロ意識で、イベントでの楽しい感じもプロ意識の一端でしょうし、だから、そのギャップがすごいなと。私、今のアイドルの方とか、そんなに詳しくないので、正直、彼のことは存在は知ってましたけど、そこまで存じ上げなかったんです。だからギャップを知って面白かったです」
――今回は、そんなおふたりと対峙するシーンもありました。節子という役名はありますが、あまり詳しく語れない「謎の女性」です。
「そうなんです。ただ最後の最後に、自分の役をとても哀れな役だなと感じました。そこまでは、今お話にあったように、恐怖であったり、ミステリアスなものを演出する役割を担っている役だと思っていたんです。けれど、最後の最後のほうで、哀れな人だと。初めて人間的な感情移入みたいなものを、自分の役にすることができた気がします。そこまでは、正直、感情移入をしていなかったんです。できる感じがしなくて」
――哀れだと思ったことで、逆に感情移入できたのですか?
「そう。最後の最後に哀れさに至って、初めて切ない人だなと感じられました」
ミステリアスな仮面がはがれ、哀れな面が見えたことで感情移入できたという斉藤さん。そこに女優・斉藤由貴の人間味を垣間見た気がした。
さいとう・ゆき
1966年9月10日生まれ、神奈川県出身。1984年、「少年マガジン」第3回ミスマガジンでグランプリに選ばれる。翌年、「卒業」で歌手デビュー。同年テレビドラマ『スケバン刑事』で初代・麻宮サキを演じ、一世を風靡した。1986年には連続テレビ小説『はね駒』でヒロインを務める。以降、数多くの作品に出演し、支持され続けている。近年の主な出演作に映画『記憶にございません!』『蜂蜜と遠雷』『最初の晩餐』『子供はわかってあげない』、ドラマ『大奥』(NHK)『フィクサー』(WOWOW)『Dr.チョコレート』(日本テレビ系)『いちばんすきな花』(フジテレビ系)、舞台『良い子はみんなご褒美がもらえる』『メトロノーム・デュエット』など。『三度目の殺人』ではブルーリボン賞助演女優賞を受賞した。
映画『マッチング』
脚本・監督・原作:内田英治
共同脚本:宍戸英紀
主題歌:Aimer
出演:土屋太鳳、佐久間大介、金子ノブアキ、杉本哲太、斉藤由貴
(C) 2024『マッチング』製作委員会
配給:KADOKAWA
公開:2月23日(金・祝)