上智大学在学中、同級生のサーヤと2人でお笑いコンビ『ラランド』を結成したニシダ。2019年に出場した『M-1グランプリ 2019』(テレビ朝日系)で脚光を浴び、今では“人気芸人”としての地位を確立。個人としても、小説『不器用で』を発表するなど、多岐にわたる活躍を見せている彼の「THE CHANGE」とはーー。【第1回/全2回】

ニシダ 撮影/山田智絵

 2023年は飛躍の年になりました。1年間で『ラランド』のユーチューブチャンネルが70万人に倍増しましたし、コントライブにも力を入れていて、4都市を巡る過去最大級のライブもやらせていただきました。

 好調でありがたい限りなのですが、なんか僕、将来はこうなりたいって大きな夢も特になく、こう、ぬるっとラッキーでここまで来たって感じなんですよね。

 上智大学の同級生だった相方(サーヤ)とお笑いコンビ『ラランド』を組んで、『M-1グランプリ 2019』にアマチュアで準決勝まで進出したのをきっかけに、お仕事をもらえるようになりました。

 そのとき、相方は社会人で僕はまだ大学生でした。7年通って結局、単位が足りずに中退しちゃったんですけど。

 テレビでも放送された『M-1』の敗者復活戦のネタに、「浅野忠信」というワードが出てくるんですけど、なんと浅野さんご本人がX(当時はツイッター)で反応してくれたんです! これはすごいぞってなって。それまではライブも100人とか120人ぐらいのキャパの場所でやっていたんですけど、お客さんの数は格段に増えました。

『M-1』直後に『ぐるぐるナインティナイン』(日本テレビ系)のコーナー「新春おもしろ荘」にも出させていただいたことで、テレビなどのお仕事も増えて、環境が一変しました。 

 僕らがテレビに出始めた20年は、コロナ禍の真っただ中でした。これまでにないパンデミックに現場はバタバタ。ソーシャルディスタンスで共演者さんとの距離は遠いし、ときにはリモートで出演してトークをしたり。でも、これまでのテレビの現場をよく知らなかったので、「こんなもんなんだ」とすんなり受け入れていました。

 逆に、緊急事態宣言が解除された今のほうが、違和感がありますね。お客さんの前でトークするのに慣れてなくて、めちゃくちゃ緊張します。そういった意味では今、初めて大きな壁にぶつかっているのかもしれません(笑)。