上智大学在学中、同級生のサーヤと2人でお笑いコンビ『ラランド』を結成したニシダ。2019年に出場した『M-1グランプリ 2019』(テレビ朝日系)で脚光を浴び、今では“人気芸人”としての地位を確立。個人としても、小説『不器用で』を発表するなど、多岐にわたる活躍を見せている彼の「THE CHANGE」とはーー。【第2回/全2回】

ニシダ 撮影/山田智絵

『M-1』に加えてもう一つ、僕を変えてくれたものがあります。それは『アメトーーク!』(テレビ朝日系)の「読書芸人」の回に出演したこと。

 読書好きの芸人として番組に呼んでもらって以降、書く仕事が増えて今、ちょくちょく小説を書かせてもらっています。

 昨年夏に『不器用で』という初の短編小説を出版させていただきました。

 子どもの頃からたくさん小説を読んできたので嬉しかったですね。読書体験の始まりは『かいけつゾロリ』などの児童書や、『ハリー・ポッター』シリーズ。僕が小学校低学年のときに、『ハリー・ポッター』が映画化されたのですが、当時はドイツにいたので、ドイツ語版か英語版しか上映されていなかったんです。

 そこで日本語訳した原作を手に入れ、夢中になって読みあさりました。読書がライフワークになり、中二からは、年間100冊は読むように。

 特に太宰治に心酔して、全集も読破しました。初めて太宰を読んだのは教科書の『走れメロス』で、一番好きな短編は『畜犬談』。犬が嫌いな主人公が餌に毒を入れて殺そうとするのですが犬は死ぬ気配もなく、逆に愛着が湧いて東京に連れ帰るというお話です。あとは『博士の愛した数式』などで有名な小川洋子さんの作品も全部読みました。

 小説を書かせてもらったきっかけは、大学のお笑いサークルの先輩が『KADOKAWA』の小説投稿サイト「カクヨム」の部署にいらっしゃって、6周年記念の芸能人が小説を執筆するという企画にお声がけいただいたことでした。