「お世話になった姉さんに全部教えてもらいました」

 
――布団の上げ下げや掃除といったことだけではなく、お客さんの対応もされていたんですか?
 
「全部やってました。配膳も、最初から最後まで。自分が担当しているお部屋のぶんは、自分が出すんです。“本日担当させていただく坂東です”って言って、ごはんを片付けたあとは布団を敷いて、朝は“おはようございます”ってごはんにご案内して、布団を片付けて。全部やってました」
 
――すべてゼロからですよね。
 
「お世話になった姉さんに全部教えてもらいました。デビューしてから挨拶に行ったりはしていないんですけど、SNSでつながってはいるんです」
 
――そうなんですか! それはステキですね。絶対に喜んでくれていますね。
 
「そうですかね。そうだと嬉しいです」
 
 住み込みで働いた旅館で仕事を教えてくれた“姉さん”は、俳優としてどんどん大きくなっていく坂東さんを、ずっと見守ってくれているはずだ。デビュー前にお世話になった人との関係も大切にしている坂東さん。そうした人間性も、坂東さんの“強み”だ。

ばんどう・りょうた
1997年5月24日生まれ、北海道出身。2017 年俳優デビュー。翌年、 NHK スペシャルドラマ『花へんろ 特別編 春子の人形』に主演し、注目を集める。22年に公開されたW主演映画『フタリノセカイ』で第32回日本映画批評家大賞新人男優賞を受賞した。主な出演作に、映画『峠 最後のサムライ』『冬薔薇』『春に散る』『バカ塗りの娘』、ドラマ『リバーサルオーケストラ』(日本テレビ系)『王様に捧ぐ薬指』(TBS系)『きのう何食べた? season2』(テレビ東京系)など。最新出演映画『一月の声に歓びを刻め』が公開中。また4月にW主演ドラマ『RoOT / ルート』(TX系)を控え、2025年公開の主演映画『君の忘れ方』(作道雄監督)も公開が決定している。

●作品情報
映画『一月の声に歓びを刻め』
脚本・監督・プロデューサー:三島有紀子
出演:前田敦子、カルーセル麻紀、哀川翔、坂東龍汰
(C) bouquet garni films
配給:テアトル新宿  公開中
ヘアメイク 南 郁弥(OLTA)
スタイリスト 李 靖華