2017年のデビュー以来、坂東龍汰はまったく印象の違う役を演じてきた。ドラマ『真犯人フラグ』の配達員、『ユニコーンに乗って』のプログラマー、『きのう何食べた? season2』のケンジの同僚の美容師、W主演映画『フタリノセカイ』でのトランスジェンダー…多彩な輝きを見せる坂東さんにとってのTHE CHANGEとは。【第3回/全4回】
2017年のデビュー以降、映画にドラマと続けて出演してきている坂東さん。2024年現在、主演を務める舞台『う蝕』が3月3日までシアタートラムにて公演中(地方公演あり)、そして映画『一月の声に歓びを刻め』も公開中である。
『一月の声に歓びを刻め』は、『Red』などの三島有紀子監督が、幼い頃に自身に起きた事件をモチーフに、3人の主人公たちを見つめた物語だ。坂東さんは、3番目に登場するエピソードで、前田敦子さん演じる女性れいこが出会う、レンタル彼氏をしている青年トト・モレッティを演じている。
――トトはこの映画において、男とか女とかではない存在であり、地上からちょっと浮いているような存在でもあるといったことから坂東さんが浮かんだと、少し聞きました。主人公のれいこの人生の転機を作る、非常に重要なキャラクターです。
「そうですね。れいことトトが一晩共にして、次の日、れいこがかつて事件の起きた場所である駐車場に行って語り始めます。脚本を読んだときから、あそこに行くまでの“変化”がすごく大事だなと思っていました。
あそこに行くまでに、トトがれいこの何か、傷だったり凍った部分だったりを溶かしていないと、あの場所でのれいこの言葉は聞けないし、出てこないと思うんです。あそこでれいこが、なぜトトにあのことを話せるようになったかという“過程”がものすごく大事。そのために、どうにかして僕はトトになっていなきゃいけないと、すごく思いました」
坂東龍汰、重要シーンを成功させるには、「そこに至るまでの“過程”が大切なんです」
坂東龍汰の「THE CHANGE」インタビュー#3