ロンドン公演は日本より逆に緊張しないのかも
――舞台はプレッシャーが大きいけれど、それでも今回の舞台はやらねばと。
「(上白石)萌音ちゃんの初演の舞台を観ていたんです。そのときに凄さを感じていたので、やりたいと思ったのだと思います」
――ロンドン公演へ向けてはいまどんな気持ちですか?
「日本でやるよりも逆に緊張しないのかなと思っています。皆さん、私がどんな人間かも知らないし、年齢もよく知らない。本当に千尋として舞台に立てると思うんです。だからロンドン公演への緊張はそんなにしていないです。日本で立つほうが、“川栄が千尋をやる”というプレッシャーがあると言いますか。“29歳が10歳を”みたいに見られるかなとか(笑)。いろんな想像をしてしまいがちなんですよね。ちゃんと完ぺきな10歳に仕上げないと、と思ってしまったり。なので、自分を知られていないところに行くほうが、役として伸び伸びできるんじゃないかなと思っています」
――では、舞台は「今まであまり出ないようにしていた」とのことですが、今回、海外公演という新たなチャレンジが加わったことによって、逆にワクワクに転じそうですか。
「ワクワクというか、海外に行ってお芝居を見せるというのは、初めてのことです。その経験は、自分の役者人生のなかで、すごい大きなものになるんじゃないかなと思っています」
いま現在も、俳優として着実に評価を受けてきている川栄さんだが、この舞台でさらに大きなものを得て「CHANGE」するかもしれない。作品を受け取っていく側としても、とても楽しみだ。
川栄李奈(かわえい・りな)
1995年、2月12日、神奈川県出身。2015年にAKB48を卒業してほどなく、舞台『AZUMI幕末編』、翌年『戦国編』で主演を務めて好評を得る。その後連続テレビ小説『とと姉ちゃん』(NHK)『3年A組‐今から皆さんは、人質です‐』(NTV)大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』(NHK)『家政夫のミタゾノ』(テレビ朝日)などに出演。トーク番組『A-Studio』では10代目のアシスタントを務めた。ほか主な出演作に映画『亜人』『センセイ君主』『恋のしずく』『泣くな赤鬼』、ドラマ『夕凪の街 桜の国 2018』『青天を衝く』『となりのナースエイド』など。現在、映画『変な家』が公開中、舞台『千と千尋の神隠し』で千尋役を演じている。
●作品情報
映画『変な家』
原作:雨穴「変な家」(飛鳥新社)
監督:石川淳一
脚本:丑尾健太郎
出演:間宮祥太朗、佐藤二朗
川栄李奈
長田成哉、DJ松永(Creepy Nuts)/瀧本美織
根岸芽衣、高嶋政伸、斉藤由貴、石坂浩二
(C) 2024「変な家」製作委員会
配給:東宝
大ヒット公開中