「人前に立つことは一番苦手としていました」

――白洲さんが芸能界に入ったきっかけは、周りから言われて受けたジュノン・スーパーボーイ・コンテストですね。もともと俳優をやりたかったとか、子ども時代に映画やドラマにすごく感動してこの世界に、といった入り方ではなかったのでしょうか。

「そうですね。正直に言うと、俳優という仕事や何かの作品に憧れてこの世界に入ったわけではないですし、そもそも人前に立つことは一番苦手としていました。だから『テニスの王子様』じゃなかったら、“やっぱり無理だ”と辞めていたと思うし、辞められたと思うんです。でも『テニスの王子様』では、トータル2年以上の期間をかけて、役者としてやっていこうという気持ちを、自分の中でちょっとずつ積み上げていけたのだと思います」

――ミュージカル『テニスの王子様』は人気作なので、DVDが出ていたり、定期的に配信で見られたりもします。振り返って見ることはありますか?

「自分の作品ですか? あのときの自分をってことですよね? 見られないです。無理です。思ったこともなかったです。でも……。いま無理だと言いましたが、やっぱり“ちょっと見てみてもいいかな”とも感じました。部活動のように、かなり濃密な、大切な時間だったのは間違いないですし、芝居を始めたての自分を見たら、どんな気持ちになるんだろうって。単純な好奇心はありますね」