中学3年生だった2011年、雑誌『Seventeen』の専属モデルオーディション「ミスセブンティーン」にて、グランプリのひとりに選ばれた中条あやみ。その後も昨年末まで『CanCam』の専属モデルを務めるなど、ファッションモデルとして活躍。今田耕司とともにMCを担った『アナザースカイ』などで見せてきた、親しみある素顔も支持を広げている。モデルと同時にキャリアを積み重ねる俳優業も順調で、現在は江口のりことダブル主演の映画『あまろっく』が公開中だ。そんな中条さんのTHE CHANGEを聞いた。【第2回/全4回】

中条あやみ 撮影/冨田望

映画『あまろっく』では笑福亭鶴瓶の妻役を演じている

 現在公開中の映画『あまろっく』は、兵庫県尼崎市を舞台に展開する家族ドラマ。中条さんは江口のりこさんとともに、ダブル主演を務めている。江口さんが39歳で突如、理不尽なリストラにあい、町工場を営む実家でニートのように暮らす優子役。中条さんは、優子の父・竜太郎(笑福亭鶴瓶)が連れてきた20歳の再婚相手・早希を演じている。

――江口さんの義母で鶴瓶さんの妻という、なかなかすごい役を演じています。中村監督から直々のオファーだったそうですね。

「物語の登場人物ひとりひとりに愛を感じました。全員がすごく丁寧に描かれていて、ちゃんと美しく輝くように考えられているなぁと。そしてすごくリアルに日常が切り取られている。ただシンプルに家族の話をやるというのは、難しいと思うのですが、それをこんなに面白くて感動できる要素を組み込んだ物語にできるんだって。家族ってとても大きなテーマですが、すごく面白いと感じましたし、脚本を読みながら早希ちゃんというけなげな役を演じたいと思いました」

――早希ちゃんは、なかなか打ち解けるのが難しいだろう優子にも、ガンガン明るく接していきます。

「早希ちゃんは20歳という設定なので、天真らんまんにできたのもあると思います。あの年齢だからこそできる部分もある。でもそれだけじゃなく、私自身がすごく共感できるポイントが、早希ちゃんにはたくさんありました。ちょっとズカズカと家族に入り込んでいく感じとか、優子ちゃんを南雲さん(中林大樹)とお見合いさせたり。そういったおせっかいな部分は、自分自身も結構あるので」

――そうなんですか!?

「一人ぐらい会話のきっかけを作る人がいないと、話が始まらないなと思うときがあるんです。いい意味での起爆剤というか、立ち回りができるのは自分かなと。そこで嫌われたりおせっかいだなと思われることもあると分かっていますが、巻き込まないと始まらないと思うのは、すごく共感できます。
 早希ちゃんは一家だんらんという夢に向かって真っすぐだからこそ巻き込めたと思うし、ちょっと怖いもの知らずなところは、私も早希ちゃんと似てるかなと思います。それから早希ちゃんは優子ちゃんとぶつかったことで、“一緒にいなくても家族だよね”という新しい価値観に気づかされることにもなったと思います」