秋葉原が自分の居場所だった
「秋葉原ディアステージの扉をたたいた時に、“ここでなら私も主役になれるかもしれない”と感じた。でんぱ組.incのプロデューサーのもふくちゃん(福嶋麻衣子)に、“アイドルグループを作りたい”と言って、誕生したのが『でんぱ組.inc』でした。
当時はよく“アイドルになれなかったら死ぬ”って公言していたんですが……。アイドル以外は興味がなかった。一緒にグループをやっていたねむ(夢眠ねむ・元メンバー)や、りさちゃん(相沢梨紗・メンバー)からも心配されていました」
学生時代はいじめも経験したことがあるという未鈴さんにとって、心が安らぐ場所が秋葉原だったという。
「アイドルのオーディションに受からないんだったら、自分が主人公になれる場所を作るしかない。それが私にとって秋葉原という場所でした。ディアステージで働くということは、アイドルを目指すことでもある。
学生時代は、人とうまく話せなかったけれど、ディアステージでキャストとして接客をしているときは、楽しく会話ができました。自分でも成長していく過程が面白かったし、なによりもお客さんに喜んでもらえるのが嬉しかった。秋葉原に来て、本名ではなく“古川未鈴”として活動するようになって、別の人物になれるって気づきました」