「自分が輝けるのはグループだと感じていた」

 どうしてそこまでアイドルという存在になりたいと思ったのだろうか。

「モーニング娘。さんのようにグループで歌って踊るグループがかっこいいなって感じていました。だから1人でアイドル活動をするというイメージがなかった。当時(’09年ごろ)の秋葉原はまだグループ活動をしているアイドルが主流ではなかったんですが、なんとなく自分が輝けるのはグループだと感じていたので、 “グループがやりたい”って言い続けていました」

古川未鈴 撮影/冨田望

 でんぱ組.incのライブの定番曲として外せないのが『Future Diver』(2011年)だ。この楽曲は、トイズファクトリーとプロデューサーのもふくちゃんが共同で設立したレーベル『MEME TOKYO』からリリースされた。

「当時は、アイドル活動だけでは生活ができなかったので、ディアステージでのバイトも続けていました。東日本大震災が起きた年に、秋葉原ディアステージにレコード会社の人がお忍びで来てくれて。そのとき、接客をしたのが私だったんです。“でんぱ組.incっていうアイドルをやっているので聞いてください”ってプレゼンしました。

 その後に、“メジャーデビューします。編曲はヒャダインさん(前山田健一)です”って聞いて、嬉しかった。それまでも売れるつもりで頑張っていたけれど、実際に売れるってどういうことだろうみたいに漠然としていた。Future Diverがリリースされてから10年以上経つのに、“夢で終わらんよ”っていう歌詞に、救われているっていう声を聞きます。私もこの曲がリリースされた時は、一つの転機だったなって感じます」

 一つ一つの出来事を思い出しながら、丁寧に語ってくれた未鈴さん。その表情は、彼女が憧れたアイドルのようにキラキラと輝いていた。

(取材・文)池守りぜね

ふるかわ・みりん
香川県高松市出身。でんぱ組.incのメンバー。キャッチフレーズは「歌って踊れるゲーマーアイドル」。でんぱ組.incの活動以外にも、ゲーム関連の雑誌での執筆やゲームの動画配信なども行っている。2019年、漫画家の麻生周一と結婚を発表。2021年第一子となる男児を出産。