「うちなら女優ができるよ」

 餅田さんは高校卒業後に俳優コースのある専門学校に入学、劇団四季を志すも、講師から「太っている人は劇団四季には入れない」と言われたことで進路を変更。卒業後に松竹芸能タレントスクールに入学した。

 一方で小野島さんは根っからお笑い芸人志望。大学2年生のときに松竹芸能にスカウトされ、学生ながら芸人としてプロと肩を並べて舞台に立っていた。といったように、バックボーンがまったく異なるふたりだからこそ、そう簡単には噛み合わなかった。

小野島「“太っている人は入れない”と言われて、痩せる気はなかったんだ」

餅田「そう。“あ、入れないんだ”と思って諦めました。それで松竹の人から“うちなら女優ができるよ”と言われて入ったのが松竹のスクールで、お笑い養成所だったんです」

ーーそれは餅田さんの素質を見抜いていたということでは。

餅田「いや、そういうことでもなかったんです。とにかく誰かしら入れたかったんだと思います」

ーー最初のコンビはその養成所時代に組んだんですよね。

餅田「そうですね。養成所時代に組んで、そのまま続けていました。当時は映画出演とかの仕事がちらほらあって、だからお笑いに本気になれなかったし、そもそもお笑いが好きじゃなかったんです。相方がネタを書いてくれていましたが、それに対して熱意もなくて。ほんとうになあなあでやっていました。書かれていることをやって、ハイ終わり、みたいな。当時の相方にちょっとかわいそうなことをしちゃったなあ、と今は思いますけど、そのときは“この人、おもしろいネタ書いてこないなあ”くらいの感じで思ってて。すごくイヤなやつだったと思います」