『ちょっと今から仕事やめてくる』でのお芝居

 直近ではNHKで放送されたドラマ『大奥』への出演や、『弁護士ソドム』(テレビ東京系)、『アイのない恋人たち』(テレビ朝日系)での主演など大活躍の福士さん。いままで出演した作品のなかで「自分が変わった」と感じた経験はあったのだろうか?

「いろんな側面で変化を経験したと思うのですが、『湖の女たち』と感覚的に同じだなと思うのが『ちょっと今から仕事やめてくる』という映画で成島出監督とご一緒したときの経験です。

 当時、24歳くらいだったのですが、その頃の僕は成島監督から受けた演出をきちんと理解し切れなくて。教えていただいたことをとにかく実践してみる、という状況だったのですが、実は今回、大森監督にも同じようなことを教わったと気づいたんですよね。

 当時分からなかったことが、“今分かるかもしれない”と思って。そういう意味でいうとそのときの感覚というものは、成島さんがいろんな肥料を与えてくれて、役者としての芽をバッと出してくれたような。

 そんな感覚が『ちょっと今から~』にはありました。自分自身では、お芝居を自分の意図でできていたとは思っていないので少し悔しい面もありますが、自分の中ではまた成島監督とお仕事をしたいと感じた作品です」