「最初はその意味が掴めなかった」大森立嗣監督の演出

福士蒼汰 撮影/三浦龍司

 福士さんは、今作の公式サイトに“役者人生のターニングポイントになる作品”というコメントを寄せている。福士さんにとって『湖の女たち』で演じた濱中圭介という役のどういったところがターニングポイントとなったのだろうか?

「やはり大森立嗣監督の演出を受けたというところですね。大森監督から、“自分の心から思ったタイミングでお芝居をすることを心がけてほしい”と演出を受けたのですが、最初はその意味が掴めなかったんです。でも撮影をしていく中で、何か掴めてきたような感覚が徐々に出てきて、それを監督も感じてくださったように思います。

 今作の撮影が終わり、他の作品でもこの時に培った感覚のまま演じていると、周囲の人からも“変わったね”と言われることが増えたんです。それはやはり、自分自身ではあまりわかっていなかった“その人物を演じることの根本”のようなものを、大森監督が演出を通して自分に教えてくださったということだったと思うんです。これは自分にとってエポックメイキングな瞬間だったというのを感じています」

 挑戦的な役柄に挑むことを決断し、自分の心から湧き出てくるものを信じて演じたことで、福士さんは役者として大きく飛躍する変化「THE CHANGE」を得られたのかもしれない。

ふくし・そうた
1993年5月30日、東京都生まれ。’11年にデビューして以来、数々のドラマや映画などで活躍。近年の主な出演作には、ドラマ『大奥シーズン1、2』、『弁護士ソドム』、『アイのない恋人たち』など。昨年Huluオリジナル『THE HEAD Season2』では、念願の海外進出を果たした。また、WOWOW『アクターズ・ショート・フィルム』では、初監督作品『イツキトミワ』を手掛けた。5月7日から公開の映画『湖の女たち』では、いままでにないダークなイメージのキャラクターにも挑戦している。

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映画『湖の女たち』
『日々是好日』、『MOTHER マザー』の大森立嗣が監督・脚本を手がけ、作家・吉田修一の同名小説を映画化したヒューマンミステリー。
ある介護施設で、100歳の老人が何者かに殺害された。事件の捜査にあたった西湖署の若手刑事・圭介とベテランの伊佐美は、施設の中から容疑者を挙げ、執拗な取り調べを行なっていく。その陰で、圭介は取り調べで出会った介護士・佳代への歪んだ支配欲を抱いていく。一方、事件を追う週刊誌記者・池田は、この殺人事件と署が隠蔽してきたある薬害事件に関係があることを突き止めていくが、捜査の先に浮かび上がったのは過去から隠蔽されてきた恐るべき真実・・・。それは、我々の想像を超えた過去の闇を引き摺り出すー。そして、後戻りできない欲望に目覚めてしまった、刑事の男と容疑者の女の行方とはー。

配給:東京テアトル、ヨアケ
劇場公開日:2024年5月17日