ミルクボーイのアドバイスを芸風に取り入れた

 なかでも感慨深さひとしおだったのが、ミルクボーイのふたりからのメッセージだった。

「ふたりは大阪時代からの同志で、ずっと応援してくれていたんですけど、内海(崇)ちゃんから“おめでとうございます! ついに来た!”みたいな感じで言ってくれたり。駒場(孝)ちゃんからは、2年くらい前にふとアドバイスをしてもらったことがあるんです」

 そう話しながら、街裏さんは右手薬指に光る指輪を見せる。

「“結婚指輪をしていたらおもろいかもしれないですね”と、ふと言って。”あんなにわけわからん支離滅裂なことを言っているやつが結婚しているのがおもしろい”と。ウワ――ッ! 言うてて結婚してんのかい! みたいな。“みんなの潜在意識の中に結婚しているということを植え付ける意味で、結婚指輪をするの、いいかもしれませんよ”と言われたんです」

――たしかに、その芸風と風貌で結婚指輪が目についたら、インパクトがありますね。

「でも、結婚指輪をしながらネタをやるのって結構恥ずかしいし、勇気がいるじゃないですか。できずにいたんですけど、R―1の決勝の前に、おかんが、2年くらい前に亡くなったおじいちゃんの形見の指輪を持ってきて、くれたんです。“これに力をもらおう”みたいな感じで。おじいちゃんがつけてたやつだけど、お客さんから見たら結婚指輪に見えるなあと思って、駒場ちゃんのアドバイスとおかんの心意気がクロスして、R―1の決勝で初めてこれをつけたんです」

――結婚指輪に模しているけど、左ではないんですね。

「身振り手振りをするとき、右手を前に出す動きがあるので、カメラに抜かれたときにめちゃめちゃ映るように右薬指にしているんです」