「芸能界から消える人」と「芸能界に残る人」

――先ほど「あの人はいま」という話もありましたが、勝俣さんから見て「芸能界から消える人」と「芸能界に残る人」の違いはどこにあると思いますか?

「これも美輪さんと話したことがあって。仕事によって手を抜く人のことが腹立たしいので、“修業のために一度芸能界からいなくなっちゃえばいいのに”と言ったら、美輪さんに“あなたは念が強いから、そう思ったら本当にいなくなってるでしょ”と返されて、確かにそうだなと納得して。美輪さんから“その念を自分の目標を叶えるために使いなさい”と言われたんです。売れると文句を言い出す人っているじゃないですか。“何待ち?”とか“なんでロケなの?”とか。感謝の心を失くした人は芸能界から消えてます。
 僕は根っからのテレビっ子で“『8時だョ!全員集合』(TBS系)の中に入りたい”と思っていたから、いまもテレビの中にいることがうれしいんです。マネージャーには“どんな時間帯でも地方局でもオファーを受けるように”と話しています。キャスティングに名前を挙げてもらったことがありがたいし、波のある芸能生活で下がった時に救ってくれるのはそういう人だと思うから。僕は他力本願で、要求されることを一生懸命にやるだけ。“誰が面白い仕事を持ってきてくれるんだろう”とワクワクしてます。これからも無理難題を課してくる人に会いたいです」

YouTubeチャンネルが大人気!

―― 2 0 2 0 年から始めたYouTubeチャンネルは登録者数16万人を突破してます。

「スタッフから“YouTubeをやりませんか?”と言われて、“コロナで困っている飲食店が多いからお取り寄せ企画をやろう”と開設したら、3カ月くらい登録者数2名でした(笑)。困惑したけど、ひとりしゃべりで『ケンカ最強の芸能人は?』をテーマに話したら再生回数が120万回を超えて。YouTubeで“テレビの勝っちゃん”をやっても観ないんだな、とわかりました」

――「令和のバラエティ番組はコンプライアンスが厳しい」と嘆いているタレントもいますが、勝俣さんはどう捉えていますか?

「特に息苦しさを感じているわけではないけど、コミュニケーションの取り方は変わったなと思います。商店街ロケでヘッドロックしながら“うるせー、ババア”と言えなくなりました(笑)」

―― 勝俣さん、けっこう毒舌なんですよね。

「そうそう(笑)。大御所に盾突いてきたから、みなさん“この『うるせー、ババア』は愛情なんだ”と理解してくれるんです。将来的には、毒蝮三太夫さんになりたくて。毒蝮さんの毒舌って愛情があるじゃないですか。湯気が出てる「ババア」を言える人間を目指してます」

勝俣州和(かつまた・くにかず)
1965年3月12日生まれ、静岡県出身。「劇男一世風靡」のメンバーとしてキャリア
をスタート。1988年に男性アイドルグループ・CHA-CHAを結成。“究極のバイプレーヤー”“企画成立屋”と呼ばれるなど、バラエティ番組を中心に活躍している。『朝だ!生です旅サラダ』(テレビ朝日系)、『アッコにおまかせ』(TBS系)に出演中。YouTubeチャンネル「勝俣かっちゃんねる」