「みんな集まるのかな」って不安は感じましたね

 そんな『あぶ刑事』の新作映画版『帰ってきた あぶない刑事』が、今回、8年ぶりに作られました。オファーをいただいたときに最初に思ったのは「またできるの?」って。

 映画版が作られるようになってからは、一本終わるごとに「多分、これで終わるだろう」って必ず思っていたんです(笑)。

 タカ役の舘ひろしさんとユージ役の柴田恭兵さんは僕と同世代だし、他のメンバーもみんな、それなりの年で、やっぱり体力的なこともあるから「みんな集まるのかな」って不安は感じましたね。そもそも、誰か一人が欠けたら成立しないですから、この作品は。

 もともとは、ナカさんはタカとユージの上司でしたが、定年を迎えて、前作ではラーメン屋の店主、今回は情報屋に転職しているという設定です。たぶん脚本家も、僕の役をどうするかすごく悩まれているんだと思いますよ。だから、もし次作が作られて、また出させてもらえるとしたら、養老院に入っているんじゃないですかね(笑)。

 プライベートでは、72歳です。

 今は平均寿命も80歳を超えて、人生100年時代なんて言われているから、僕もこれからだと思いますね。今回の映画でも、ユージのセリフに「人生の黄金時代は老後にある」っていうのがありましたけど、いくつになっても人生に夢を持つということが大事だと思うんです。僕自身も、死ぬまで舞台に立ち続けたいと思っています。生涯現役です。だから、老後について考えるよりも、ずっと続けていくために、もうひとつもふたつも上の高みを目指して頑張らなきゃいけないな、とは思っていますね。だって、そうしないとボケちゃうと思うんで(笑)。

ベンガル(べんがる)
1951年8月17日、東京都出身。自由劇場を経て、1976年に柄本明、綾田俊樹とともに『劇団東京乾電池』を結成。その後も、個性派俳優として映画や舞台、テレビドラマなど幅広く活躍している。

映画『帰ってきた あぶない刑事』
https://abu-deka.com/
監督:原廣利
脚本:大川俊道
出演:舘ひろし、柴田恭兵、浅野温子仲村トオル土屋太鳳西野七瀬早乙女太一、ベンガル、長谷部香苗、杉本哲太岸谷五朗吉瀬美智子
(C)2024「帰ってきた あぶない刑事」製作委員会

最強バディの2人が“探偵”になって帰ってきた!
定年退職後、ニュージーランドで探偵事務所を開いていた鷹山敏樹(舘ひろし)と大下勇次(柴田恭兵)の2人が8年振りに横浜に帰ってきた。さっそく、『T&Y探偵事務所』を開業した2人の前に永峰彩夏(土屋太鳳)という女性が現れ、「母親を探してほしい」と依頼してきた……。
配給:東映
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