今春で芸歴27年目を迎えたトータルテンボス。「ハンパねぇ」「しのびねぇな」「かまわんよ」等々、彼らの漫才でおなじみのフレーズは、リアルタイムでそのブレイクを観ていた世代であれば現在でもつい口をついて出てくるほど強いインパクトを残した。現在は、地元・静岡でのレギュラー番組やコンビでのYouTubeチャンネル、麻雀や野球、ゴルフなどそれぞれの趣味を活かした番組出演と、マイペースに多方面で活躍している。さらに去年はYouTubeチャンネル「佐久間宣行のNOBROCK TV」のドッキリ動画が1500万回再生の大バズり。あらためてそのスキルを見せつける格好となった。50歳を目前に控えた今振り返る、若手時代の「THE CHANGE」とは――。【第2回/全5回】

トータルテンボス 撮影/尾藤能暢

 

 デビュー4年目となる2002年、気合いを入れて臨んだ『爆笑オンエアバトル』(NHK)初挑戦はオフエア、単独ライブはドスベり……と、苦しい1年を過ごしたトータルテンボス。しかしブレイクの兆しが表れたのは意外と早く、翌年のことだった。

大村「夏にルミネtheよしもとで開かれた若手の大会で優勝したんです。そこで少し勢いがついて、12月に今度は『M-1グランプリ』の敗者復活戦でいい感じの手応えがありました」

藤田「あの敗者復活戦は、俺らがアンタッチャブルさんに次ぐ2位だったと思いますね」 

大村「本当に、アンタッチャブルさんと同じくらいウケましたから。“どっちだ!?”ってなってたんですよ」

 このときのことを語る二人の口調は確信に満ちていた。敗者復活戦への出場は前年に続き2度目。大きな手応えを感じた2人は波に乗り、年の瀬に生放送された『オールザッツ漫才』(MBS)の若手ネタバトルで天津やソラシド、ストリークといった関西勢をくだして準々決勝まで勝ち進む。まだ関東の芸人が大阪でウケづらかった時代だ。「めちゃめちゃいい流れで2004年を迎えられた」と藤田が言う通り、快進撃は年明けまで持ち越された。2月には2年ぶりに『オンバト』挑戦の機会がめぐってくる。

藤田「“敗者復活戦のウケがなかなか良かったぞ”ってことで、吉本の社員が『オンバト』を入れてくれたんでしょうね」

大村「“アンタッチャブルさんと同じようにウケたんだから”って自信を持って臨みました」