40年以上にわたり、バラエティ番組や情報番組のMC、俳優、歌手として、テレビの第一線で活躍している中山秀征。人気のきっかけは松野大介と結成していたコンビ『ABブラザーズ』で、当時は中高生から絶大な人気を誇っていた。そんな彼がテレビタレントになるに至った「THE CHANGE」とはーー。【第1回/全2回】

中山秀征 撮影/柳敏彦

 中学生の頃の僕は「将来は青春ドラマに出演して、歌えればいいな」という漠然とした夢を抱えていました。まあ、アイドル青春スターみたいになりたかったんですよね。

 なんのあてもないのに中学3年の3学期、芸能界を目指して15歳で群馬から上京することに。ところが、オーディションを受けても受けても落ちるんです。

 そこで挑戦したのが、渡辺プロダクションの「第2の吉川晃司にならないか」という募集。応募するために、歌を収録したテープで3曲送りました。

 僕は考えたんですよ。「吉川晃司さんは、すでに1人いるから、吉川晃司さんとは違う路線がいいんじゃないか」と。そこで歌のチョイスは、まず西城秀樹さんの『ギャランドゥ』、女性の歌もできるぞと見せつけるために、柏原芳恵さんの『春なのに』。最後の1曲は、演歌も歌えるぞってことで、梅沢富美男さんの『夢芝居』にしました。今考えると、もう完全に「第2の吉川晃司」じゃなくなっていますよね(笑)。でも、これで通ってしまったんです。

 さっそくレッスン生として、歌の稽古が始まるのですが、すぐに「歌はイマイチだな」という空気になります。そもそも譜面も読めないし、ピアノで歌ったこともないので、音がとれないんです。そこで、芝居をやらせてみようということで、ドラマ班に移ったんですが、ここでも、イマイチという評価。

 ここまで、事務所でレッスンを始めて3か月。歌も芝居もダメで、いったいどうなるんだろうと不安になっていきます。そんなときに、事務所がバラエティ班を立ち上げることになり、後に僕のマネージャーとなる方がそこに呼んでくれることになりました。