三谷幸喜さんらのメンバーの中に“裏口入学”
当時、バラエティ班ではオーディションも行ったんですが、そこに集まっていたのが、『ABブラザーズ』で僕の相方になる松野大介さん、後の『ホンジャマカ』の石塚英彦さん、作家として三谷幸喜さんなど。本当にキャラの強いメンバーでしたね。
僕はそんなメンバーの中に“裏口入学”のようにポンって入れられて、“お笑い英才教育”を受けることになります。レッスンの内容は、アナウンス、ネタ作り、ダンス、歌など、とにかく1週間、何かしらの授業がありました。
ただ、ネタを書けって言われても、それまでネタなんか書いたこともないので困りました。そこで、年齢も近い松野さんと一緒に作ってみろとなって、それが後のABブラザーズになったんです。大映ドラマのパロディみたいなものや、街にいる不良の学園コントなど、良いか悪いかは置いといて(笑)、とりあえず作り続けました。それを中学生、高校生の女の子をターゲットにして、渋谷の109の一番上のライブハウスで披露したんですが……。
分からないもので、ここで突然、中高生の女の子たちからワーキャーと言われるようになるんです。さらに、あれよあれよという間に、帯番組の『ライオンのいただきます』(フジテレビ系)に抜擢され、『オールナイトニッポン』(ニッポン放送)の1部、2部をぶっ通して担当。さらに僕は単独でもドラマ『ハーフポテトな俺たち』(日本テレビ系)で主演を務めました。このときで17〜18歳。休日ゼロのハードなスケジュールでしたが、充実していました。
(つづく)
中山秀征(なかやま・ひでゆき)
1967年7月31日、群馬県藤岡市出身。1984年に渡辺プロダクションに入所。その後、40年以上にわたり、バラエティ番組や情報番組のMC、俳優、歌手として、テレビの第一線で活躍している。
『いばらない生き方 テレビタレントの仕事術』
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