1日に100件の賛否両論

 半田さんも建築家になる以前にテレビ出演し、“人気者”になり、「建築とは関係のない仕事もたくさん来て、生活ができるようになってしまった」という。

「元は貧乏人が、そうやって知名度をもらってお金をもらえるようになったことは、すごく感謝しています。人の縁も同じように、いまの妻とも会うことはなかったと思うし、テレビに出たおかげで“久しぶりに会いたいな”と思ってくれて縁が切れなかった友だちもいると思うし、業界の先輩や社長に声をかけてもらえて、自分ひとりでは経験できないようなことをたくさんさせてもらいました。

 ほかにも、1日に100件の賛否両論をもらったことは、他の人ができない経験ですよね」

半田悠人 撮影/三浦龍司

ーーSNSなどの声ですね。

「はい。褒めてくれる人もいれば、同じ事柄についてめちゃくちゃ怒ってくる人もいて。それがほんとうに半分なんです。イーブンなんですよ。“褒められた数だけけなされるんだ”と思って、傷ついたり、ほんとうに落ち込んだこともあります。デメリットもたくさんありますが、知名度を得られるきっかけになったことは、ほんとうに大きいですね」

 さて、今回のインタビューでもテラスハウスに言及し、ネットニュースで「テラハ半田悠人」という枕詞で語られるたびに「なにそれ苗字?……って毎回思う(笑)」と俯瞰で見るが、「あと2年で、そういうのを全部なしにしようと思っている」と話す。

「あと2年で、テラハ卒業から10年経つんです。そうしたら“テラスハウス”を全部なしにして、建築家としてかわかりませんが、新しい自分をスタートさせたくて。いま、準備をしています」

 さらなる変化を予感させる半田さん。“テラハの半さん”との名は表に出なくとも、水面下でさまざまな仕事をやってのけるはずだ。

はんだ・ゆうと
1988年生まれ、神奈川県出身。建築家。総合芸術制作会社「デリシャスカンパニー」代表。2016年に『TERRACE HOUSE BOYS & GIRLS IN THE CITY』(フジテレビ系)に出演。2020年2月にDream Amiさんと結婚し話題になった。