日本の恋愛リアリティ番組の先駆けといえる『テラスハウス』(フジテレビ系)。複数人の男女がシェアハウスで同居し、さまざまな人間模様を展開する様子を映し出し、2012年から2020年まで放送された。そのセカンドシーズンとして位置づけられている『TERRACE HOUSE BOYS & GIRLS IN THE CITY』に出演し、卒業時にはキャストのYOUさんが涙するなど視聴者のみならずスタジオのタレントにも支持され、いまも番組ファンから絶大な人気を誇るのは、建築家の半田悠人さんだ。テラハが半田さんにもたらしたTHE CHANGEとは、なんだったのか。【第3回/全5回】
2015年~2016年放送『TERRACE HOUSE BOYS & GIRLS IN THE CITY』(フジテレビ系)に出演した当時、同番組のそれまでの出演者とは一線を画す経歴も相まって、“Mr.パーフェクト”と呼ばれていた建築家の半田悠人さん。
自身は「パーフェクトなんて、そんなわけがない」と居心地の悪さをみせるが、当時通っていたのは、東大よりも難関とされている東京藝術大学。しかも藝大以前は、私学の雄・早稲田大学に通っていたというから、「Mr.パーフェクト」という異名をつけたくなってしまうのは無理もないのだ。
ーーどちらも狭き門で、そのどちらも合格するって、とんでもないことだと思いますが。
「いや、いや、これはほんとうにまぐれで。運がいいんですよ。僕は受験勉強をほぼしていなくて、早稲田の教育学部だけ受かって、ほかは全部落ちたんですよ。試験がマークシートだったので、ギャンブルの才能があったんだと思います」
ーーいやいや……勘で受かるわけがないです。当時から建築を志していたと思いますが、教育学部はいかがでしたか?
「教育学部で学んでいたからこそ、"やっぱり建築をやらないといけない”と気づけたんですが、昔は社会教育といっていて、いまでいう生涯教育学という学問を専攻していました。そこは半分、哲学も学ぶんです。哲学というのはもともと“美学”なんですが、美学というのはそもそも“人はなにを美しいと思うのか”という美術論なんですよ。
そこに建築が出てきて、有名なもの……たとえばル・コルビュジエ(フランスの建築家でモダニズム建築の巨匠)などの有名な建築のなにがすごいかという論文を書くじゃないですか。そこで気づくんです。いやいや、“人を論じるより、作ろうよ!”みたいな。“僕は論じられる側にいたい”と思って、そのときには次の進路を決めていました。大学2年生のときでしたね」